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うちにあるカプ色々出そうな感じで始めてみました。
1話完結をちょこちょこと、になる予定。 この前に立花先輩を見たとき、何かが気になった。でもその何かが分からなくて、次に、あ、と思ったのは別の日の田村先輩を見上げた時だった。 「…ねぇ先輩?」 「どうした」 委員会の後に宿題を見てやると言われたままに、僕は今、潮江と立花の札が掛かった部屋にいる。 部屋の主の1人は、僕を見て、先輩を見て、口の端を持ち上げて部屋から出て行った。今夜はあっちだ、と言い残して。 別に気を遣わなくても良い、と先輩が呟いたのを聞き流してヒラヒラ、漆黒の髪がなびいた。 そう言えばさっきは何も気にならなかった。 「先輩」 「…だから、どうした?」 仕方がないとため息が聞こえる。 きゅう、と腰の辺りに抱きついた。 「立花先輩は」 「ん?」 「僕がいるから…?」 「なんだ?」 いつも出て行くイメージが、と言えば、あぁ、と頷く。 「イイ人が居るから良いんだよ」 「え?」 出掛ける理由になるから丁度良いくらいだ、と笑う先輩を見つめてしまう。 「た、え、イイ人?」 動揺がモロに言動に出るのはどうかと思うが仕方ない。 「立花に相手が居ちゃ悪いかよ」 意外か、そうかもな、あの立花だし、と1人で納得して先輩は喉の奥で笑う。 「えーと」 だからつまり、 「アイツが出て行くのは気にするなって事だ」 「そうですか」 「おう」 そうなんだ、とホッとしたような気恥ずかしいような、色々な気持ちがごちゃごちゃしてる。 「あ、えと!!」 「ん?まだ何かあるのか」 「鬱血の跡があるっていうのは、…何か意味が、え?先輩」 面白そうな顔をする先輩に、思わず黙る。 ぐしゃっと撫でられて、悪い、と謝る声が聞こえた。 え、え? 先輩? 口元を隠しても目が笑ってる。 「鬱血の跡だって? …見た覚えねぇな」 「えー…? でも、何か気になって、その時は判んなかったんですけど、田村先輩を見た時に」 「田村だぁ?」 「え、はい」 「ま…た、アイツ…、お前、聞いたりしなかっただろうな」 心なしか肩が震えている気がした。なぜだろう。 「? してません」 「そうか。聞いてやるなよ、頼むから」 「? はい」 なんで、と思ったけれど黙っておく。 「別に立花と田村が殴られてるって事でもねぇし、まぁ、なんだ、悪かねぇんだと思うぞ。俺はそれ見た事ねぇけど」 「ふーん…?なら、いいです」 先輩が僕を引き寄せる。 「おまえ意外に目敏いな」 「意外ですか」 サラ、と前髪をかきあげられる。口づけが1つ、そのまま落ちた。 …ドキドキしだす、心臓の音がやたら気になる。 「な、団蔵」 「はい。…わっ…ちょっと」 くすぐったくて笑ってしまう。 頭巾を解き、首元を寛げ、首筋に指を滑らせ顎を撫でる。そのまま首に唇が這う、さらに舌がなぞる。頬がみるみる赤くなる。熱いのが分かる。 胸元に顔を埋めた先輩が目線を上げた。目が合った瞬間ふっと笑う。ピリッと小さな痛みが走る。 軽く身震い。ゾクゾクする。何だろう。 「な、鬱血」 唇を離して先輩が笑う。 な、と言われても、どうしていいかわからない。 えーと、と先輩を見る。困ったような先輩が適当に服を直してくれて、外からは見えないんだなと少し安心した。 「フツーは見えないようにすんだよ…」 僕の心を見透かすかのように声が降ってくる。 「そうなんですか」 「そりゃそうだろ」 照れるだろ、と笑いながら頭を撫でる。 「だから仙蔵にしろ田村にしろ、バレるなんてらしくないんだけどな」 「へー…」 「他の奴もそんな事言ってねぇしな、お前どこで見たんだよ」 「えー…?」 どこだろう。 「そんな珍しい場所じゃなかったと思うんですけど…?」 ふっと見上げたら目についた、そんな感じ。 「ふーん」 今度アイツらに言ってやろ、とニヤニヤしてる先輩を見る。 これ、どうしよう、と鬱血を見て途方に暮れる。 「これってからかわれるような物なんですよねー?」 「ん、あー…や…お前らはまだ分からないんじゃねぇ?」 「はー…剣術の授業で脱がないようにして…実技の授業で脱がなければいいんですけどー」 水練じゃないことを願っててやるよ、と笑われた。 笑い事じゃないって言うのに。 一体何だって言うんだろう。 PR |
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全て脳内妄想による捏造の産物です。
新たに与四兵始めちゃいました。
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航輝
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団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。 連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。 twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。 |