× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
リクエストをいただいておりまして!!!
ちまちま書いていたのですが、やっと終わりました…!!! なんせ亀。 遊季さんお待たせいたしました…!!!! 2500hitリクで、シリアスな文団。 2人で町に出かけて~ …ということで書き始めてはみたのですが、こんな仕上がりになりました。。。 お気に召していただければいいのですが…!!! 左腕が酷く熱い。 そんな顔するなよ。 どうすれば泣き止むんだ。 なぁ、もう泣くな、お願いだから。 学園一忍者していたって、こういうことは手に負えないよなぁと天を仰いだ。 変哲のない午後。 そのはずだったのに。 アイツと2人で町に出て、いくつか店を冷やかしたり、飯を食ったり、ごく普通の午後。 「先輩、あの人たち」 「ん?」 「なんか、女の人」 「あー…」 下手に首を突っ込まない方が良い、と言いかけたのに、団蔵の俺を見る目が余りにも必死で、待てと口を開きかけた時には走って行ってた。あぁもう、仕方のない。 「ねぇおじさん達」 物怖じせずに話しかける団蔵に、昼間だというのに多少酔ってるんだろう奴らが怒鳴りつける。 「おじさんだぁ!?」 「ガキはあっち行ってろ!!」 「その人は嫌がってるのに、みっともないよ」 「うるせぇ!!!」 「俺の女に何しようが勝手だろうが!!」 「そういうのよくないよ、おじさん」 「あぁ!?」 ベタすぎて多少呆れる。相手も相手だが団蔵も。 「団蔵、ちょっと」 「はい?」 「これは逆効果だろ」 「うーん…はい」 な、グシャグシャと髪を撫でる。 逃げるなら今のうちに、と女にチラリと目線をやったら、多少頭を下げながら走っていった。 「何だてめぇこのガキの連れか!?」 「てめぇの弟ならちゃんと見張っとけよ!!邪魔しやがって、迷惑なんだよ!!」 「そりゃ悪かったな」 ぎゃあぎゃあ騒ぐ男を尻目に、団蔵の手を引き歩き出す。 相手にするのも阿呆らしい。 「悪かったで済むと思ってんのか!!」 殴りかかってくるのを避けて、足を払う。 「威張れることもしてねぇだろうが」 ほら、と団蔵を促し先を急ぐ。 「てめぇ覚えてやがれ!!」 背中に言葉を受けながら、どこまでもベタだな、と軽く感心した。 「あぁいうのはなー…気持ちは解るが難しいな」 「はい」 「問答無用で叩き伏せる訳にもいかねぇし」 「…はい」 くすっと団蔵が笑う。 どうしたと聞けば、七松先輩といれば問答無用でしょう?と返ってきた。 どうだろう。考えていないようでも、直感で良いように作用するように動けるんじゃないだろうか。嗅覚、というか。 「今回は大したことねぇし、まぁ良しとするけどなー」 山に川、あちこち行ってきた。もう、上から下までずぶ濡れで、アイツはひっかき傷だらけ。それでもずっと楽しそうに笑ってた。 この顔が見たくて誘ったんだと思った。柄じゃねぇし、言わねぇけど。でもずっと思ってた。 最後にちょっとだけ茶店で休むかと学園に戻る途中、さっきはよくも、とやって来た連中に、いい加減にしろと怒鳴りつけたいくらいだった。 6人、…7人か。数まで増えて、よっぽど暇なのかこいつらは。 「あー…団蔵?」 「はい」 「下がっとけ」 「え、でも」 「すぐに済むだろうからな、どこの団子食うかでも考えとけ」 「…はい」 団蔵が後ろに下がる気配を感じ、男たちを睨みつけた。 1人2人と倒しながら、飛び道具が後ろにいかないようにと打ち払う。 忍だとバレちゃいけない。 派手な武器は使えない。 ささやかすぎると思いながら手元を狙って石飛礫をうつ。武器さえ持てなきゃ良いだろう。 群れていても個々は弱くて有り難い。 「っくそ!!ガキからやってやる!!」 あと3人、というところで誰かが小さく叫び横を走り抜けようとする。行かせるかとそいつの服を掴もうと振り返る。視界の片隅で何かが光った。おそらく刃物。どっか斬られるか、と痛みを覚悟しながら手を伸ばし、そいつを引き寄せる。腹に一発。 左腕、と思わず顔をしかめた。 流石に飛礫なんて言ってられず、残った2人は殴り倒し蹴り飛ばす。 ひぃぃ、と逃げていく奴らを一瞥し、団蔵の元へ近づいた。 「団蔵」 左腕の止血をしようと手拭いを出す。 「悪かった、怖かったか?」 後は帰ってからだな、と処置を施した左腕を見て、こんなもんだと頷く。手拭いはじわじわ赤く染まる。 「先輩」 「ん?」 トンッと握った拳で俺の胸を叩く。 「僕はそんなに頼りないですか」 「は?」 「自分の身を守るのも放り出して僕を庇わなきゃいけないくらい、僕は戦えないって」 「おい」 「2人を倒す時間も保たないくらいに頼りにならないって」 「おい、」 「そう思ってるんですか…?」 言い終わって顔が僅かに歪む。俺はたじろぐ。あぁ泣くな、と頭の片隅で考えた。 「あのな…」 さてこれは、どう言おう。 「お前は1年で俺は6年、力量の差は仕方ないだろうが」 なぁ、と右手で抱き寄せる。 「頼ったらおかしいだろうが、保つ保たないで判断する事でもない。これが神崎だとしてもだ。田村なら放っておくが。…分かるか?」 頭を撫でる。撫でる。撫でる。 「お前に何かあったら俺は俺を許さない」 それも俺が見ている目の前で。 「それでも…」 団蔵が小さな肩を震わせた。 「僕のせい、でっ…先輩が怪我、して、そんな…」 あぁ泣くな。赤く染まった左腕、着物が血で汚れるなと思いながらも構わず強く引き寄せる。ほらちゃんと動くだろ、平気だろ、大したこと無い、だから泣くな。 「…くやしい…」 小さな呟きが聞こえる。 ひっく、と声を殺して泣く背をさすり、頭を撫でる。 天を仰ぐ。 一体どうしたらいいんだ。誰か教えてくれ。 団蔵、と囁く。 「…強くなろうな」 「はやく、強くなりたい…もっと、もっと」 強くなろうな、もう一度呟いて、抱きしめる。 ややあって顔を上げた団蔵が言った。 「先輩を助けられるくらいに、なりますから」 「…待ってるよ」 今はこんな赤い目をしたコイツに、いつか背中を預ける日が来ると思うと。 「期待してるぜ」 さぁ帰ろう、と手を取った。 赤い左腕、赤い両目。 みっともないと普段なら思う事も、こいつと一緒なら悪くない。そんな風に思う俺は重症だ。 PR |
カテゴリー
SSは同時間軸のものは下に行く程、経過していきます。
繋がってない物は下から。
個人的ブクマなリンク
リンクフリーに甘えています。無断リンクが満載だ。
最新記事
取り扱い傾向
食満三木・食満綾・文団
基本的にマイナ。
全て脳内妄想による捏造の産物です。
新たに与四兵始めちゃいました。
プロフィール
HN:
航輝
性別:
女性
自己紹介:
団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。 連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。 twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。 |