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リクエストをいただいておりまして!!!
ちまちま書いていたのですが、やっと終わりました…!!!
なんせ亀。


遊季さんお待たせいたしました…!!!!

2500hitリクで、シリアスな文団。

2人で町に出かけて~
…ということで書き始めてはみたのですが、こんな仕上がりになりました。。。
お気に召していただければいいのですが…!!!






















左腕が酷く熱い。
そんな顔するなよ。
どうすれば泣き止むんだ。
なぁ、もう泣くな、お願いだから。

学園一忍者していたって、こういうことは手に負えないよなぁと天を仰いだ。



変哲のない午後。
そのはずだったのに。
アイツと2人で町に出て、いくつか店を冷やかしたり、飯を食ったり、ごく普通の午後。


「先輩、あの人たち」
「ん?」
「なんか、女の人」
「あー…」
下手に首を突っ込まない方が良い、と言いかけたのに、団蔵の俺を見る目が余りにも必死で、待てと口を開きかけた時には走って行ってた。あぁもう、仕方のない。
「ねぇおじさん達」
物怖じせずに話しかける団蔵に、昼間だというのに多少酔ってるんだろう奴らが怒鳴りつける。
「おじさんだぁ!?」
「ガキはあっち行ってろ!!」
「その人は嫌がってるのに、みっともないよ」
「うるせぇ!!!」
「俺の女に何しようが勝手だろうが!!」
「そういうのよくないよ、おじさん」
「あぁ!?」
ベタすぎて多少呆れる。相手も相手だが団蔵も。
「団蔵、ちょっと」
「はい?」
「これは逆効果だろ」
「うーん…はい」
な、グシャグシャと髪を撫でる。
逃げるなら今のうちに、と女にチラリと目線をやったら、多少頭を下げながら走っていった。
「何だてめぇこのガキの連れか!?」
「てめぇの弟ならちゃんと見張っとけよ!!邪魔しやがって、迷惑なんだよ!!」
「そりゃ悪かったな」
ぎゃあぎゃあ騒ぐ男を尻目に、団蔵の手を引き歩き出す。
相手にするのも阿呆らしい。
「悪かったで済むと思ってんのか!!」
殴りかかってくるのを避けて、足を払う。
「威張れることもしてねぇだろうが」
ほら、と団蔵を促し先を急ぐ。
「てめぇ覚えてやがれ!!」
背中に言葉を受けながら、どこまでもベタだな、と軽く感心した。


「あぁいうのはなー…気持ちは解るが難しいな」
「はい」
「問答無用で叩き伏せる訳にもいかねぇし」
「…はい」
くすっと団蔵が笑う。
どうしたと聞けば、七松先輩といれば問答無用でしょう?と返ってきた。
どうだろう。考えていないようでも、直感で良いように作用するように動けるんじゃないだろうか。嗅覚、というか。
「今回は大したことねぇし、まぁ良しとするけどなー」


山に川、あちこち行ってきた。もう、上から下までずぶ濡れで、アイツはひっかき傷だらけ。それでもずっと楽しそうに笑ってた。
この顔が見たくて誘ったんだと思った。柄じゃねぇし、言わねぇけど。でもずっと思ってた。


最後にちょっとだけ茶店で休むかと学園に戻る途中、さっきはよくも、とやって来た連中に、いい加減にしろと怒鳴りつけたいくらいだった。
6人、…7人か。数まで増えて、よっぽど暇なのかこいつらは。

「あー…団蔵?」
「はい」
「下がっとけ」
「え、でも」
「すぐに済むだろうからな、どこの団子食うかでも考えとけ」
「…はい」
団蔵が後ろに下がる気配を感じ、男たちを睨みつけた。

1人2人と倒しながら、飛び道具が後ろにいかないようにと打ち払う。
忍だとバレちゃいけない。
派手な武器は使えない。
ささやかすぎると思いながら手元を狙って石飛礫をうつ。武器さえ持てなきゃ良いだろう。
群れていても個々は弱くて有り難い。

「っくそ!!ガキからやってやる!!」
あと3人、というところで誰かが小さく叫び横を走り抜けようとする。行かせるかとそいつの服を掴もうと振り返る。視界の片隅で何かが光った。おそらく刃物。どっか斬られるか、と痛みを覚悟しながら手を伸ばし、そいつを引き寄せる。腹に一発。
左腕、と思わず顔をしかめた。
流石に飛礫なんて言ってられず、残った2人は殴り倒し蹴り飛ばす。

ひぃぃ、と逃げていく奴らを一瞥し、団蔵の元へ近づいた。
「団蔵」
左腕の止血をしようと手拭いを出す。
「悪かった、怖かったか?」
後は帰ってからだな、と処置を施した左腕を見て、こんなもんだと頷く。手拭いはじわじわ赤く染まる。
「先輩」
「ん?」
トンッと握った拳で俺の胸を叩く。
「僕はそんなに頼りないですか」
「は?」
「自分の身を守るのも放り出して僕を庇わなきゃいけないくらい、僕は戦えないって」
「おい」
「2人を倒す時間も保たないくらいに頼りにならないって」
「おい、」
「そう思ってるんですか…?」
言い終わって顔が僅かに歪む。俺はたじろぐ。あぁ泣くな、と頭の片隅で考えた。
「あのな…」
さてこれは、どう言おう。
「お前は1年で俺は6年、力量の差は仕方ないだろうが」
なぁ、と右手で抱き寄せる。
「頼ったらおかしいだろうが、保つ保たないで判断する事でもない。これが神崎だとしてもだ。田村なら放っておくが。…分かるか?」
頭を撫でる。撫でる。撫でる。
「お前に何かあったら俺は俺を許さない」
それも俺が見ている目の前で。
「それでも…」
団蔵が小さな肩を震わせた。
「僕のせい、でっ…先輩が怪我、して、そんな…」
あぁ泣くな。赤く染まった左腕、着物が血で汚れるなと思いながらも構わず強く引き寄せる。ほらちゃんと動くだろ、平気だろ、大したこと無い、だから泣くな。
「…くやしい…」
小さな呟きが聞こえる。
ひっく、と声を殺して泣く背をさすり、頭を撫でる。
天を仰ぐ。
一体どうしたらいいんだ。誰か教えてくれ。
団蔵、と囁く。
「…強くなろうな」
「はやく、強くなりたい…もっと、もっと」
強くなろうな、もう一度呟いて、抱きしめる。
ややあって顔を上げた団蔵が言った。
「先輩を助けられるくらいに、なりますから」
「…待ってるよ」
今はこんな赤い目をしたコイツに、いつか背中を預ける日が来ると思うと。
「期待してるぜ」
さぁ帰ろう、と手を取った。
赤い左腕、赤い両目。
みっともないと普段なら思う事も、こいつと一緒なら悪くない。そんな風に思う俺は重症だ。
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取り扱い傾向
食満三木・食満綾・文団 基本的にマイナ。 全て脳内妄想による捏造の産物です。 新たに与四兵始めちゃいました。
プロフィール
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航輝
性別:
女性
自己紹介:

団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。
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twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。