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ふー…
続きをどうしようか考え中。























「待ってろと言ったろ」
「罠がある所で待つのが妥協案」
「分かってない」
「は?」
僅かに周りの空気か揺れた。
あっと言う間に横に現れ腕を捕まれた。そのまま仕掛けの1つを踏むのが見えた。網が降る。
「罠など関係ないんだ」
抱えられて身動きがとれないまま、僕まで一緒に宙に浮いた。網で良かったなと思う。縄だけだったらたまったもんじゃなかった。2人で宙吊り。有り得ない。
「ちょっと!」
「兵太夫と2人で過ごせることには変わりない」
この人おかしい。
知ってたけど、そんな気はしてたけど、仮にも逢い引き(認めない)と呼ぶものが僕の自作罠ツアーであっていいはずがない。

僕を抱きしめるこの人は、こんな物に掛かるのはいつ以来だろうと言い、くすくす笑う。
「離して」
「離しても距離は変わらない」
「気分の問題」
「つれないな」
「十分吊られてます」
「そう言うな」
「やだ」
額にかかる髪を直し撫でられる。
「何故こんなに罠だらけなんだ」
「良いでしょ何でも」
「俺の為か」
「冗談」
「捕らえたいんだろ」
「僕から離したいの間違い」
「俺が掛かると」
「気休め」
「俺なら掛かると」
この状態も予想済みだろう?と耳元で囁く。冗談じゃない。誰があんたと網になんか。
「止めてよ」
あぁそうか、とまた笑った。
何だよ。お願いだから力を声で飛ばすなよ。離せ、と言いながら目の前の肩に額をつけた。何やってんだろう。
「穴の方か」
「は?」
「網だと見えるか」
待ってろ、と迷惑にも僕を抱き直す。抗議の声も聞き入れず、クナイを取り出した。
「掴まれ」
「やだ」
「あのな」
「いやだ」
やれやれ、と背中に回された手が熱い。力が籠もる。
「落ちるぞ」
ガクンと落ちる。視界が揺れた。
「うわぁっ」
「意地っ張りだな、兵太夫」
着地しても、しっかりと抱かれたままだった。声を上げた自分に腹が立つ。
「どれだ」
「何が」
「穴」
「その辺全部」
実際そこら中に落とし穴はあった。僕だけじゃない。綾部先輩作もあるけれど。
「俺用」
「何それ」
「あるだろ」
「ないよ」
「これか?」
「聞いてる?」
聞いてる、と言いながら1歩足を踏み出す。また落ちた。
敷き詰められた落ち葉に着地した。三治郎の親切心。ということは、僕らの穴?それなら蓋が閉まるはずなのに。
「失敗かぁ…」
僕の髪から葉を取り顔を見る。
「何が失敗かは知らんが、気を落とすな」
「平気。だから離して」
「いい加減許せ」
「無理」
その時、急にバタンと音がした。周りが暗くなる。
「お」
「…失敗じゃなかった…?」
「これは?」
「蓋」
「だろうな」
気配で分かる。この人、今、絶対笑ってる。
「何?」
「俺用だろう?」
「勝手にそう思っとけば」
ぷいと顔を背ける。この穴の狭さじゃ離れるなんて無理だ。ならせめて。
「な、兵太夫」
こっち向かなくて良い、と聞こえた直後に後ろから引き寄せられる。首筋に多分、指先が触れた。そっと滑る。
「ちょっと」
「ん?」
「やらしい」
「は?」
指はそのまま耳に触れた。
「何してんの」
「何を考えた」
「僕が聞いてるんだけど」
「別に大したことじゃない」
「それ以上したら許さない」
「耳年増だな」
「はぁ!?」
僕の手を取り口元に持って行く。何故だか肩が跳ねた。
「何をすると思ったんだか」
ちゅ、と音を立てて指先が吸われる。やだもう。ろくに見えない目を瞑る。
「次はもう少しするか?」
「いやだ」
何を考えてんだか、と強く抱かれる。
「もう出るぞ」

やたら外が眩しいと思ったのは、穴の直ぐ側に置いてある行灯のお陰で、それを置いたのが誰かと考えると眩暈がする。
部屋に戻っても三治郎の顔が見られないに違いない。
「いつまで抱いてる気」
髪を掴んで引っ張った。何か言い掛けたから一発叩く。

照れ隠しだなんて、そんな事は言わせない。
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取り扱い傾向
食満三木・食満綾・文団 基本的にマイナ。 全て脳内妄想による捏造の産物です。 新たに与四兵始めちゃいました。
プロフィール
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航輝
性別:
女性
自己紹介:

団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。
連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。
twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。