× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 ふー… 続きをどうしようか考え中。 「待ってろと言ったろ」 「罠がある所で待つのが妥協案」 「分かってない」 「は?」 僅かに周りの空気か揺れた。 あっと言う間に横に現れ腕を捕まれた。そのまま仕掛けの1つを踏むのが見えた。網が降る。 「罠など関係ないんだ」 抱えられて身動きがとれないまま、僕まで一緒に宙に浮いた。網で良かったなと思う。縄だけだったらたまったもんじゃなかった。2人で宙吊り。有り得ない。 「ちょっと!」 「兵太夫と2人で過ごせることには変わりない」 この人おかしい。 知ってたけど、そんな気はしてたけど、仮にも逢い引き(認めない)と呼ぶものが僕の自作罠ツアーであっていいはずがない。 僕を抱きしめるこの人は、こんな物に掛かるのはいつ以来だろうと言い、くすくす笑う。 「離して」 「離しても距離は変わらない」 「気分の問題」 「つれないな」 「十分吊られてます」 「そう言うな」 「やだ」 額にかかる髪を直し撫でられる。 「何故こんなに罠だらけなんだ」 「良いでしょ何でも」 「俺の為か」 「冗談」 「捕らえたいんだろ」 「僕から離したいの間違い」 「俺が掛かると」 「気休め」 「俺なら掛かると」 この状態も予想済みだろう?と耳元で囁く。冗談じゃない。誰があんたと網になんか。 「止めてよ」 あぁそうか、とまた笑った。 何だよ。お願いだから力を声で飛ばすなよ。離せ、と言いながら目の前の肩に額をつけた。何やってんだろう。 「穴の方か」 「は?」 「網だと見えるか」 待ってろ、と迷惑にも僕を抱き直す。抗議の声も聞き入れず、クナイを取り出した。 「掴まれ」 「やだ」 「あのな」 「いやだ」 やれやれ、と背中に回された手が熱い。力が籠もる。 「落ちるぞ」 ガクンと落ちる。視界が揺れた。 「うわぁっ」 「意地っ張りだな、兵太夫」 着地しても、しっかりと抱かれたままだった。声を上げた自分に腹が立つ。 「どれだ」 「何が」 「穴」 「その辺全部」 実際そこら中に落とし穴はあった。僕だけじゃない。綾部先輩作もあるけれど。 「俺用」 「何それ」 「あるだろ」 「ないよ」 「これか?」 「聞いてる?」 聞いてる、と言いながら1歩足を踏み出す。また落ちた。 敷き詰められた落ち葉に着地した。三治郎の親切心。ということは、僕らの穴?それなら蓋が閉まるはずなのに。 「失敗かぁ…」 僕の髪から葉を取り顔を見る。 「何が失敗かは知らんが、気を落とすな」 「平気。だから離して」 「いい加減許せ」 「無理」 その時、急にバタンと音がした。周りが暗くなる。 「お」 「…失敗じゃなかった…?」 「これは?」 「蓋」 「だろうな」 気配で分かる。この人、今、絶対笑ってる。 「何?」 「俺用だろう?」 「勝手にそう思っとけば」 ぷいと顔を背ける。この穴の狭さじゃ離れるなんて無理だ。ならせめて。 「な、兵太夫」 こっち向かなくて良い、と聞こえた直後に後ろから引き寄せられる。首筋に多分、指先が触れた。そっと滑る。 「ちょっと」 「ん?」 「やらしい」 「は?」 指はそのまま耳に触れた。 「何してんの」 「何を考えた」 「僕が聞いてるんだけど」 「別に大したことじゃない」 「それ以上したら許さない」 「耳年増だな」 「はぁ!?」 僕の手を取り口元に持って行く。何故だか肩が跳ねた。 「何をすると思ったんだか」 ちゅ、と音を立てて指先が吸われる。やだもう。ろくに見えない目を瞑る。 「次はもう少しするか?」 「いやだ」 何を考えてんだか、と強く抱かれる。 「もう出るぞ」 やたら外が眩しいと思ったのは、穴の直ぐ側に置いてある行灯のお陰で、それを置いたのが誰かと考えると眩暈がする。 部屋に戻っても三治郎の顔が見られないに違いない。 「いつまで抱いてる気」 髪を掴んで引っ張った。何か言い掛けたから一発叩く。 照れ隠しだなんて、そんな事は言わせない。 PR |
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航輝
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団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。 連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。 twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。 |