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与四郎が全く出てきません(笑)
























正直、避けている。

次はもう少しのそれが何かはよく分からないけど、何か嫌で、嫌だから避けるし、でも興味が全くないこともないから覗いてみたい。
僕はそんな複雑な心境だったりする。相変わらずこの人は人の気も知らないで突然現れたり手紙を寄越したり。その度に内心穏やかでない僕は、ほんの少し、少しだけ距離を置いてしまってる。きっと気付いているんだろう。…何も言わないけれど。
何もさせないし何も言わない。だって僕らは特別な、そんな仲じゃない。

最近、庄左ヱ門が嬉しそうだった。団蔵がきり丸を叩いてた。
3人が一緒に居るときだけなんだけれど、雰囲気が、なんて言うか、桃色?華やいでいる、というか。
三治郎にアイツら何か変じゃないと聞いてみたけど、どこがーって、ふんわり返ってきたから気のせいなのかなとも思う。
ただ何となく、桃色な気がした。

「団蔵、良いことあった」
「え~?」
相好が崩れる。分かり易い奴。どうなんだよ忍としては。会計委員で許されるのか。ギンギンに忍者するためにしごかれてんじゃないのか。
「ふーん、おめでとう」
「まだ何も言ってないだろ!!」
「顔に出てる」
「えぇっ!?そんなに!?」
「よっぽど心当たりがあるんだな」
へへへ、と団蔵が笑う。
「最近、良いことあったんだー」
「へー…道理で」
「幸せで俺たちと遊ぶ暇ないもんな~」
きり丸が横から口を挟む。
「そんな事ないだろー!!」
「いいや、あるね」
「ないよ!!」
「いーや、そんなの言えるの今だけだぜ。な、庄左ヱ門」
庄左ヱ門が忍たまの友から顔を上げた。まさかの満面の笑み。僕の顔はきっと驚きと不審と可笑しさで変になっていると思う。
「そうかも、だってあっと言う間だって思うとさ」
なー、と2人の声が揃う。
「もー2人とも!!」
赤くなった団蔵が2人をバシバシ叩く。叩く動作にも幸せが滲み出てる。…変なやつら。
「幸せで良かったね…?」
服を引っ張りながら庄左ヱ門がこっそり教えてくれだ。

「団蔵、潮江先輩と良い仲になったんだって」
「ふぅん」
良い仲。
え、良い仲。
…ということは、えぇえ!?
「もうなんかした!?」
この疑問が最初というのもどうかと思う、けど。
それを聞いた団蔵が思わず叫ぶ。
「何をするってのさ!!!!」
「え、いや、何か」
「きり丸~庄左ヱ門~」
「俺に聞くなよ」
「自分のことでしょ」
「兵太夫~?」
いやいや、僕に聞かれても。
「何もないなら良いよ、悪い」
「そう…」
あからさまにため息を吐く団蔵をみる。もしかして、と思った僕が悪かった。周りと比べようとしたのが間違いなんだ。
「あ」
でもこれだけ、と耳打ちをする。
「もう口付けた?」
かっと団蔵の頬が赤く染まる。
「してないに決まってるだろ!!!!」
「なーんだ」
「なーんだじゃないよ…」
がっくりする団蔵を眺めて、あの人も、こんなにも春って感じになるんだろうかと想像して、笑う。
それも悪くないかと思う自分がいることに驚いた。でもそれを認めてやるのは何だかシャクで、僅かに避けるのは止めずに、いずれ気が向いたらで良いやと思う。
だってまだ、好きだとも何も言われていない。ちょっと変わった奴がいる程度じゃないのかという疑問が拭いきれない。
進んで喜ばせてやるもんか、と団蔵の背中を軽く叩いて笑いそうになるのを誤魔化した。

だって僕らは、まだそんな仲じゃない。
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取り扱い傾向
食満三木・食満綾・文団 基本的にマイナ。 全て脳内妄想による捏造の産物です。 新たに与四兵始めちゃいました。
プロフィール
HN:
航輝
性別:
女性
自己紹介:

団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。
連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。
twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。