× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 彼らもまたもどかしい。 進まない!!! 「…よくもまぁ飽きずに」 手紙を箱に放り込みながら呟いた。 僕をもしくはカラクリを気に入っている錫高野与四郎その人は、気に入ったと告げてから半月に一度の頻度で文を寄越す。その間に実際に逢おうが逢うまいが関係なく。 マメだなと感心する一方でここまでの好意が少し怖い。 僕は何一つとしてあの人に渡してはいないのに。 手紙によれば、今の6年は里に残るか、余所の城へ就職か、もしくは里を出てフリーでやるか選択の時らしい。 もうそんな時期なんだとか。 風魔は比較的里に残る場合が多いと聞いた。 あの人も里に残るみたいだ。今も仕事を多々任されているみたいだし。 城勤めのイメージもないし風魔の里が似合ってる。 そんなことを考えながら紙を出す。 マメに返事を書くのはシャクだから、僕が返事をするのは二回に一回、読むためには細工を解かなきゃいけなくしてる。 読めてようが読めて無かろうが僕は知ったこっちゃない。 まぁ多分、読んでいるんだろうとは思うけど。 完成した文を細い枝に結びつける。今日はどうしようかと枝を眺め考える。 「兵太夫は本当にカラクリ好きだな」 「うん、楽しいしさ」 「わざわざ文にまで付けるほどか」 「んー別の理由もあるけど」 「それは初耳だな」 「簡単に読めるなんて大間違いだ…――っ!?」 「だからわざわざ細工を寄越すのか」 そっちのが手間掛かるのに、と不思議そうに首を傾げる風魔の彼。 錫高野与四郎その人。 「いつの間に」 気付かないくらい文に夢中だなんて情けない。その現場を見られるなんて。 「喜三太に先に会ったんだ」 「そのまま帰れば」 「こうして来ているだろ」 「もう良いでしょ」 「あのな…」 ぐしゃっと頭をかき回す。潮江先輩も団蔵にやってたなぁ、なんて全く今は関係ないことを考えたりして、現実逃避だろうか。 触れる掌が心地良い。 「ホントに相変わらずつれないな、兵太夫。」 「別に」 「へぇ?」 「文句でも」 「まぁそれでも十分だけどな」 「じゃ良いでしょ」 「良くはない」 「何で」 「もう少しすると」 「許可してない」 「必要か」 「当たり前」 ふうん、と呟いて隣に座る。 「兵太夫」 まただ。この人は声で僕を追いつめる。 「俺を見ろ」 「…いやだ」 「見ろ」 いやだ、と小さく呟き、顔を伏せる。小さな抵抗。すぐさま背中に視線が刺さる。ふっと柔らかく変化したのを感じて安心した。 「みないよ」 ゆるゆる背中を撫でる手のリズムは一定、柔らかく触れる温もりが眠気を誘う。だめだ、起きなきゃ。 「兵太夫?」 なに、と答えたつもりだったけれど通じたかは分からない。そのまま目を閉じてしまう。 「起きろ、良いのか」 いったい何が良いんだ。説明してよ。 「おい」 ばか、と聞こえたような気がした。けどもう知らない。 「起きてる、起きてるよ」 「バカだな」 寝てるくせにと囁くのを聞いた。寝てない、と思う。吐息が漏れた。 額の髪をかき上げられ、何かが触れる。何だろう。 「兵太夫」 「んー…」 「分かった、今日はもう行く」 「そー…またねぇ」 「またな」 最後にぎゅっと抱きしめられた。 「寝たら次も何もないからな…」 確信犯かこいつ、と声に残念だという響きが含まれていて、少し笑った。 PR |
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全て脳内妄想による捏造の産物です。
新たに与四兵始めちゃいました。
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航輝
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団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。 連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。 twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。 |