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航輝です。

勢いだけで2本目をあげてみる。
いやでもHP計画はどこ行ったんだっていうね…ははは。








仕方ないよね!!(仕方ないことではない)
















「団蔵、今ちょっと良い?」

馬の世話をしている団蔵の背中に話しかける。
馬に真剣に向き合っている時には気付かれないこともままあるから、すぐには返事があるとは期待しない。
…忍としてはどうかと思うけどね。

「あーごめん、お待たせ庄ちゃん。なに?」

ちょっと待ってて、と馬に語りかけてから僕の方に体を向けた。
何かをしながら別のことをするということを殆どしないのは昔から。
昔は出来なかったのが正しいけれど、今は意図的にそうしているのだろう。1つのものに真剣に取り組む姿勢というのは良いなと思わせてくれる。

「潮江先輩から何か言われた?」

学年が上がるにつれて授業は実技が多く、複雑になってくる。
1年の時から潮江先輩に可愛がられてきた団蔵は、個別で助言(というか鍛練というか特訓というか)をもらうことも多い。
…まぁ、先輩に何か言われたりしたところで身に付けられるかは自分次第なのだから、狡いも何もないとは思うんだけれど。
高学年になってきてから、その効果がかなりあって、陰で色々な憶測や嫉妬が飛び交った。
成績のためにどうとか、そんな下世話な噂。
僕達は組は気にしなかったけれど、そんな風に言われて少しも傷付かないなんてこともなく、最近少し、距離を置いているのを感じていたから。




「いや…?別になにも話してないけど」

先輩も仕事忙しいみたい、ここ暫く会ってないんだと言って、寂しそうに頬をかく。

「そっか」

出来るなら早めに話せると良いというのが、僕ときり丸の共通見解だった。
いくらクラスの皆が気にしてないと言ってみたところで、心ない言葉は幾らでも他から飛んでくる。

「会わない方がいいかもしれないなぁ」
「えっ…何で?会いたいでしょ?」

団蔵が呟いたのを聞き流せなくて、思わずでしゃばったことを聞いてしまう。
1年の時は結構皆で相談もしていたけど、最近は流石に事情がそれぞれ込み入りすぎて、大体のところを雰囲気でだけ察しているに過ぎない。

「会いたい、のかなぁ」

団蔵が考え込んでしまって逆に慌ててしまう。
噂にやられてしまうような、そんな程度じゃないと思っていたんだけれど。

「だって、久しぶりでしょ?」
「そうだね」
「前はあんなに嬉しそうだったじゃない」
「今も嬉しいよ」

慌てている僕をみて団蔵が苦笑した。

「先輩が好きじゃないとかじゃないんだ」
「??」
「今、僕と会っても良いのかなと思ってさー」

あーあ、と団蔵がため息をついた。

「だって僕、今けっこう酷いと思うんだよねー先輩心配しちゃうよ」
「あぁ」

納得して頷いた。

「そういうこと」
「そ。そういうこと」

安心した?と団蔵がにやっと笑う。

「心配したいんじゃないの」
「え」

どういうこと、と団蔵が僕を見る。
ぐしゃぐしゃに髪をなで回し、にっこりする。

「先輩はいつまで経っても先輩なんだから、相談されたって平気でしょ」
「???」
「だから、全然問題ないってのは嬉しいことだけど…何にも頼ってもらえないってことは、ちょっと物足りないって思ってるか知れないでしょってこと」
「えぇ~…」

納得できない、と言うように団蔵が顔をしかめる。
まぁその気持ちはわからなくもないんだけれど。

「だから、心配させちゃいけないって言う気持ちは大事だけど、相談して、先輩のこと頼りにしてますって伝えるのも悪くないんじゃないって」
「相談、ねー…」

団蔵が考え込むように目を瞑る。

「気は進まないけど、考えとく」
「うん」
「ありがと、庄ちゃん」
「どういたしまして」

選択肢のひとつにあがるのなら十分だと思った。
まぁ、先輩はすぐに異変に気づくだろうし、あえてなにかを言う必要もないかもしれないんだけれど。
こういうのは団蔵自身の気持ちも重要だし、人からの後押しと言うのもけっこう効果的だと思うから。


―――あとは。

「一体、誰がなんのために言い出したんだかねぇ」
犯人を突き止める意味はないかもしれないけれど、それとなく払拭するように仕向けなければ。
こういう噂は得てして悪い方に転がるものなのだから。
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取り扱い傾向
食満三木・食満綾・文団 基本的にマイナ。 全て脳内妄想による捏造の産物です。 新たに与四兵始めちゃいました。
プロフィール
HN:
航輝
性別:
女性
自己紹介:

団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。
連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。
twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。