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こんばんは。
航輝です!!


体調が良くない+ややニート気味な生活のために、ちまちま文団書いてます。




自慢にならないけど生活ピンチだぜ…!
仕事したい。




そんななかで書いている。ふふ。

















いつ頃からこんな噂が出たんだったか、もう覚えていないけど。
3年の終わりか、4年に上がってすぐくらいだったか、多分その辺だった気がする。
左近先輩が、ちょっと怒りながら教えてくれた。


僕が、成績を上げるために複数の先輩と寝ている。


…そんな噂が流れているって。
確かに潮江先輩との付き合いは、この数年間ずっと続いているし、特に隠していることもないけど話して回ったこともないし。
何でまたそんな風になってしまったのか、ちっとも見当がつかなかった。
とにかく、よく分からないが今の5年の先輩方(左近先輩たちは別だ)の中でまことしやかに、最近は下級生にも広まりつつあるらしい。


「…面倒臭いよなー…」

もうすぐで夏休み、暑い日も多くて私服の時は割と馬借スタイルでいることが多かった。
腕捲りもするし忍び装束よりは露出も高いのは確かだ。

「おい」
「はい?」
「お前だろう?」
「えーと…何か用が?」

町に出た時、見知らぬ男に突然腕を捕まれ路地裏に引きずり込まれ、太股に触れられたのには驚いた。
実習でもなんでもなく、ただの休日の買い物で、勿論女装なんかしていない。
なのに、なんで。

「ちょっと、おじさん」

びっくりして腕を振り払う。
そんな趣味はないし、こんな昼間から一体何事だと思うのが当然で、まぁ、間違いなく引きずり込まれた僕の落ち度ではあるんだけれど。
だからといって、好き勝手させてやる義理はない。

「何なの」
「お前だろう?噂の子供は」
「だから、一体何なの?」

す、と身を屈め、耳元に顔を寄せられた。片手は着物の合わせから肌に触れてくる。
抗議の声をあげたと同時に低い声で囁かれた。

「男に抱かれるのが好きなんだろう?」
「―――っ!?」

あまりの言い様になにも言えずに相手の顔を見つめてしまう。
一体、どこから。
こんな真昼の町中で誘って事に及べると思うほどの、一体何を聞いたのかということに気をとられ、手のひらの動きには構っていられない。

「どこで聞いたか知りませんけど、僕はそんなことなんか」

その時ちょうど肌を滑る手が脇腹から胸へ移動し、微かな刺激にゾクリと肌が粟立った。

「ちょっと、止めてよ」

気持ち悪い。
得体の知れない相手の感覚はただただ僕の気持ちを逆撫でる。
そんな僕の様子が不満なのか、執拗に胸に触れてくる。

「――いい加減にしろっ」

手を捻りあげて壁際へ追いやり身動き出来ないようにと押し付ける。
子供だと思って甘くみるなよ、と思うが今はそんなことは言っていられない。

「誰に何を聞いたかは知らないが、僕は誰彼構わずに寝るなんてことはしない。身体を売る予定もない。それに、」

ぎりっと掴む腕に力を込める。

「男に抱かれるのが好きなんじゃなくて、愛しい人がいるだけだ」

潮江先輩以外の人に、なんて口にするのも、想像するのも嫌だった。
そういうことを仕事でせざるを得なくなったとしても、それは全く別物の何かに違いないと思う。
――男に抱かれるのが好きだって?
冗談でもそんな事を言うはずがないじゃないか。

「行きずりの相手を選ぶなんて、僕にはちょっと早すぎると思う」

相手の男が何か言いたげだったけれど、聞く気にもなれなかった。
今から思えば知れる限りの事を問いただすチャンスだったんだろうけど、走って走って、学園にまっすぐ戻る気にもなれなくて。
裏山を通りすぎても走って走って、幾つ目かの裏山で池を見付けて飛び込んだ。

――男に抱かれるのが好きなんだろう?

僕が男が好きでたまらないかのように見下ろしてきたあの男。
僕くらいの子供なんて幾らでもいるだろうに、何故…?
特に名前を呼ばれたわけでも、今まで誰かを相手にしたこともないのだから人違いということもあるのかもしれない。
いや、というよりも僕は。

「人違いであってほしいだけじゃないか…」

あーあ、と草むらに寝転び目を閉じた。
次々と顔が浮かぶ、卒業していった先輩たち。
あの人たちも、こんな思いをしたんだろうか。
強くて自信に満ちていて、いつもいつも眩しくて。

「あ……」

むくりと身体を起こし、斜面を駆け下りる。
文を書くか、運がよければ直ぐにでも。
こんなことを聞くのが恥ずかしいとか、悔しいとか、そんな事を言っている場合じゃないんだ。
また町に戻るなんて、と嫌な予感が頭を過ったけれど気付かなかったフリをする。

「あーでも、勘は結構当たるんだよなー!!」

用心するに越したことはない。
念のための対策はしておかなきゃなと行動リストに1つ入れた。
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取り扱い傾向
食満三木・食満綾・文団 基本的にマイナ。 全て脳内妄想による捏造の産物です。 新たに与四兵始めちゃいました。
プロフィール
HN:
航輝
性別:
女性
自己紹介:

団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。
連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。
twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。