ため息を１つ

久々に？土井なんぞ｡
書く気になったのがこれだなんて!!(笑)





















恋しい愛しい人が目の前にいて､嬉しくないはずがない｡
ただもう少し､もう少し余裕のあるときにとは思う｡

｢だから何故､貴方は私の仕事中に来るんですか!!!休みの時に来て下さいよ｣
｢俺は今が休みなんだから､仕方ないじゃないですか!!｣
｢今は来られても困るんです!!!｣
｢じゃあ先生は俺に会えて嬉しくはないと？｣
｢そうは言ってないでしょう!?｣
｢同じ事だ!!｣
｢…全然､違うでしょうが｣

忙しい合間を縫って会いに来てくれるのが嬉しくないはずがない｡
ただ､本当に､今は相手が出来ないのだ｡

｢では､折角会いに来てくれた貴方を置いて仕事をするしかないですが､良いですね？｣
これは今日中に必要だし私しかやれないんですよ､と呟いた｡

｢…子供たちの相手をしてくる｣
少し拗ねてふくれた､キリリとした顔を見やって､ため息を１つ｡
こうしてみると､彼は年下なのだなとしみじみ思う｡
彼が国では広く名の知れた猛将だなんて､普段の姿ならいざ知らず､この顔からは想像できない｡
…若さからくる熱に冒される｡

｢夕食後まで居て下さるなら､なんとかしますから｣
それまでは何とかしてて下さい｡
｢勿論だ!!!｣
待ってろよ１年は組!! 俺が遊びながら鍛えてやるからな!!
と叫びながら出て行く背中を見送った｡

ぱっと明るくなった表情を見て､ほっとした自分に､苦笑するしかなかった｡