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誕生日です。
朝からノヅの市川さんからプレゼントSSを戴いてウキウキしています。


さて。
成長で庄きり。























春生まれのきり丸は、暖かくなると元気になるんだよと冗談のように言った。
野原に身を投げ出して、バイトの鬼のきり丸のつかの間の休憩は過ぎていく。
幼いときから彼の生活は大差なく、変わったと言えば合戦場でのバイトが弁当売りメインではなく旗印を取ることがメインになったりするくらいだ。
場所に変化がないというのが恐ろしいんだよな、と思いながら、僕らはやたらと実践経験を積んだからなぁ、と納得もする。

「暖かいとさ、夜一人でも寒くなくて良いだろ」

今まで、家にいるときに夜に一人だったことがない僕にはどう答えて良いのか分からなかった。
家には煩いくらいの家族がいるのが当たり前。店が自宅の僕の家では一人になるわけがないのだから。

「そうだね」
「おー」

そうだね、と言っておきながらも一人きりの夜ってどうなんだろうと想像するだけでギブアップした僕は、きり丸の寂しさを本当には知らない。
だからせめて、今だけは一人きりにするまいと思って。
同室でもない僕は、土井先生の家に行くこともままならない僕には、いったい何が出来るんだろう。
考えてみたら、泊まり掛けのバイト中くらいなんだなと苦笑するに至ったけれど。
4年に上がった僕たちは、学校から簡単な仕事を振られることが時々ある。
ただし1人では受けられない。
そんな規定を利用して僕は度々、きり丸と一緒に任についている。

「庄ちゃん」
「ん~?」

寝そべりながらきり丸が言った。

「卒業したらさー」
「うん」
「俺、多分フリーで忍者になるからさー」
「うん」
「土井先生の家に居候できなくなってもさ」
「うん」
「時々は遊びに来いよ」
「……うん」

返事をすることに躊躇いがあった。だって。家族を持たないきり丸が一体どこに遊びに来いというのだろう。

「土井先生の家に集合な」
「そこなんだ」
「他に何処があるんだよ?」
「…よかったよ」
「はぁ?」

訳が判らない、という顔をしたきり丸を軽く叩く。
卒業後の話を持ち出すほどに未来を見据えてしまった彼が、眩しくて同時に苦しくて。

「遊びに行くよ」
「おー絶対だからな」
「うん」

遊びに行くまでもなく一緒にいるとは言えなかった。
言いたかったけど、今はまだおそらく時期じゃない。
大人でもなく子供でもない僕らでは。

僕の代わりにタンポポが揺れた。
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取り扱い傾向
食満三木・食満綾・文団 基本的にマイナ。 全て脳内妄想による捏造の産物です。 新たに与四兵始めちゃいました。
プロフィール
HN:
航輝
性別:
女性
自己紹介:

団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。
連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。
twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。