× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
複数記事をあげるとぱっと見がなかなか、よろしくないのでワンクッション。
2日なんかすぐ過ぎた。 5、6年対1から4年、プラス教職員というよく判らん状態で、とにかく護衛が任務なのだからと下級生を連れて逃げる。戦いたいが、戦えない。 田村と平が率いる下級生組もなかなか侮れないな、と感心したが、何よりチビたちはさほど体力がないのが問題だった。 …当たり前なんだが。 普通の護衛だって護衛される奴らは鍛えているとは思えない。 だからこその訓練だろうし、弱音も吐かないが。必要もない。 それでも俺はマシな方だ。 相手はきり丸。動けない奴じゃない。 …山村喜三太がペアだと知った仙蔵の顔は、そりゃあ見ものだった。 (気持ちは分かる) 「今夜はここらで夜明かしだからな」 「…はい…」 はぁ、と周りを気にしながら、きり丸がしゃがみ込む。 水筒と干し飯を差し出し、ゆっくり噛めよと頭を撫でる。 警戒線、張るべきだろうかと考える。別に良いか。戦闘は極力避けたいが、いざとなりゃ抱えて逃げる方が遙かに早い。 「先輩」 もぐもぐと口を動かしながらきり丸が見上げてくる。 「ん」 「こんな時に何なんですけど」 「じゃあ言うな」 コイツの事だからきっと。 少しだけ覚悟した。 同様を悟られるわけにはいかない。 うつむき加減に話し出すきり丸を黙って眺める。 「…庄左ヱ門が俺のこと好きかも知れなくて」 「………は?」 なんだ、こっちの話じゃないのか。良かった、のか?後の展開が、読み切れない。 「ちゃんと言われたんじゃなくて、なんとなく、ですけど」 「おう」 「なんか、好かれてる?ていうか、ちょっと特別、ていうか」 …最近のガキはマセてんのな。団蔵を相手にしようなんて俺が言う事じゃないけれど。 「で?」 「んー…よくわかんねぇなってのが本音ですけど。いやじゃない、けど、あぁ俺も、では勿論ないし」 自分に対して言われてるみたいで、ぎくっとした。コイツと団蔵がダブるなんて。 …止めてくれ。 「何か言われたら考えようってのもなんか違う、だって今も俺は気にしてる。確信はないけど、そうなんだろうなって前提に考えてる」 自意識信過剰ですかね、と呟きながら、へへっと笑う。 「いや…」 隠そうとしているのなら判らないが、隠す気もないのなら。 後ろの茂み、かなり近い所からパキ、と枝が折れる音がした。 ちら、ときり丸に目をやった。視線がぶつかる。 「…考えてる最中のお前は、今、打ち明けられたらどう答える」 「え?」 「断るのか」 カサっと茂みが動いたのを目の端で捉える。 「え?」 「断らないのか」 さすがにもう、動かないか。 じり、ときり丸の真後ろに移動する。 「俺、…俺は、」 「俺は待つ」 なんか知らんが言葉が口をついて出た。 え、という形に目の前の口が開く。呆気にとられている隙にきり丸を抱き上げた。後ろに走る。茂みを飛び越えた。 同じように口を開け見上げている3人。 口元を僅かに歪め、笑う。 「俺は好きだが今すぐの返事は要らん」 先輩?と言うきり丸の声は無視し、仄かに赤い顔をした黒木と驚いてますという顔の団蔵と、面白そうに笑う平を確認し。 きり丸を降ろし平を組み伏せ、押さえつける。黒木押さえてろ、と一声掛け、団蔵を睨む。 「嫌なら断れ。いいな」 こくこく、とすごい勢いで頷くのを見届け、満足する。 下で平がもがく。黒木は、…何だあれ。 「行くぞ、きり丸」 「は」 返事も待たず再び走る。 全く、何を言ってるんだ俺は。 我ながらなかなか意味不明だなと思う。 PR |
カテゴリー
SSは同時間軸のものは下に行く程、経過していきます。
繋がってない物は下から。
個人的ブクマなリンク
リンクフリーに甘えています。無断リンクが満載だ。
最新記事
取り扱い傾向
食満三木・食満綾・文団
基本的にマイナ。
全て脳内妄想による捏造の産物です。
新たに与四兵始めちゃいました。
プロフィール
HN:
航輝
性別:
女性
自己紹介:
団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。 連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。 twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。 |