聞いて聞いて･３

食満さんと三木さん。
個人的にはまっているときはガツガツかけるのです。
けど。


読んでくださる皆様はどうなんでしょうね・・・
ほんと・・・

ありがとうございます！
まだまだ続きますのでよろしくお願いします。




















最近､疑問に思うことがある｡

｢なぁ文次郎｡最近､会計委員で備品を壊す事が増えてないか…？｣
文次郎の肩がピクリと震える｡
やっぱりなと呟く俺に文次郎がじろりと睨んでくる｡
｢…俺らとしては変わりないんだからな｣
｢どういう意味だよ｣
｢だから､俺たちは､前と変わってないんだよ｣
そっちに持って行く量が増えてるだけで｡
文次郎しては珍しく口の中でもごもごと言い淀む｡
｢はぁ…お前らはずっと変わらずに壊してるって言いたいのかよ｣
無言で頷く文次郎をやはり無言で殴ってやる｡
｢…ってぇな!!何で殴んだよ｣
｢文句あるか｣
｢あるわバカタレ!!｣
じろりと睨む｡
｢…あぁクソ､ねぇよ…｣
｢そうだろ｣

つまり､今までは多少は壊しても文次郎が適当に直していた分を田村が此方に持ってきているということらしい｡成る程､それでは確かに会計委員としての総量は変わりない筈だ｡
文次郎が頭をさすりながら､
｢田村がな､私がしっかり直す術を学んだら用具委員に持って行かずに済むでしょう､ってんだよ｡そりゃそうなんだがなー｣
人の仕事をとってどうするよ､と言いながらも楽しそうなのは何故なんだ｡
｢そんなにウチに来るのがイヤなら壊すなよ｣
｢イヤとかじゃねぇし?第一、壊す気もねぇし｣
あっけらかんと言い放つのを聞いて思わず溜息をつく｡
｢…まぁ､会計と体育の破壊量は半端ねぇからな…こっちとしちゃ助かることは確かだが｡…お前のとこは大丈夫なのか？｣
貴重な上級生である田村を度々こっちに寄越せる程に､平素の会計は平和だという事か｡決算もなく予算会議もない会計委員｡帳簿を付けた後は鍛錬しかしていなさそうだなと考え､一人頷く｡
｢それなら暫く田村はこのまま借りておくぞ｣
｢俺はまだ何も言ってねぇよ｣
何を勝手に納得してんだと今度は文次郎が頭を叩いてくる｡
｢ま､せいぜい鍛えてやってくれ｡虐めんなよ｣
｢お前じゃないからな｣
虐めてヘコたれる奴でもねぇけど､と言ってにやりと笑う文次郎｡
｢泣かすなよ｣
｢…催涙弾を投げる気はないぞ｣
｢そうじゃねぇよ､バカタレ｣
あﾞーと言いながら大の字にひっくり返る｡
｢何だよ｣
｢何もねぇ｣
ふるふる､と頭を振るのが辛うじて視界に入るくらいで､本当に何も言う気はないらしい｡
｢心配するな｡俺はアイツを割と好きだからな｣
そう言った俺をチラリと見て､文次郎が大袈裟な程に溜息をついてみせる｡
だからこそだろ､という呟きは聞こえなかった振りをして聞き流してやる｡
｢悪いようにするハズがないだろ｣
｢おー頼む｡俺もアイツを気に入ってんだからな｣
寝そべりながらヒラヒラと手を振る文次郎を放って置いて､晩飯にでも行こうかと考えた｡