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文団だけど、
バスタブに一滴や、残した一歩とは別軸で。 縦に走る稲妻。 僅かばかり遅れる雷鳴。 暗闇を稲光が辺りを一瞬照らす。今日は忍者するにはイマイチだな、と考えながら、どこかで見張っているだろう相手に聞こえないように息を漏らす。 忍者する、というどこか不自然で僕らにはしっくりくる動詞は必ずと言っていい程にあの人を思い出させる。 嵐と共に帰って来そうな人。 彼を思い出す雷雨の度に、僕はの空を見上げる。 雷鳴 「――以上で本日の会計委員会を終了する!!解散!!」 「お疲れさまでした!!!!」 ぴりっとした空気が漸く緩み、今日は割と平和だったなーと話しながら会計委員の面々が部屋を後にする。 夕飯までには時間があるし、これから何をしようかな、やっぱり乗馬かなと考えながら、大きく伸びをする。 「あー…、加藤。ちょっと」 「はい!?」 何かしたっけ!?と記憶を巡らせながら呼び声の主、――会計委員長で6年い組の学園一忍者しているという噂(それは断じて噂ではなく)――潮江文次郎先輩の元へと向かう。 「…僕、今日も何かしましたっけ~…」 我ながら情けない声。けれど出てしまったものは仕方ない。 怒られることを覚悟して、やや丹田の辺りに力を込めておく。 「いや、そうじゃない。…あー…そのなんだ。…おまえな、」 いつもギンギンはっきりしている先輩が珍しく口ごもるものだから、僕は僅かに頭を傾けた。 その後も少しの間、うーとか、あーとか、はっきりしない先輩に、ホント珍しいなぁ馬と遊ぶ時間が減ってくなぁと思いながらもし暫し待ち続ける。 「お前、な。…俺と遠乗りに行くのは嫌か」 「え!?その、えぇ!?」 予想もしなかった言葉が飛び出してきて、上手く返事が出来ない。 遠乗り。 そりゃ馬とは遊ぶつもりだったよ。でも、潮江先輩ととは。うーん考えてなかったなぁ。まさかの展開だ。呼ばれるなんて、てっきり何かしでかしたからだと思っていたのに。 「…加藤」 「え!!!あ、はい!!」 ため息を吐きながら先輩が呟く。 「嫌なら嫌だと言えよ…」 …え? 目の前では、変なこと言って悪かった、行っても良いぞ、と先輩が手を振ってる。 …でも、あれ? 「僕、嫌だって言いましたっけ」 「言ってねぇ。でもおま」 「ですよね!!」 あっけにとられた先輩が僕を見てる。 「まだ何も言ってないですよ!!行くんですよね!!遠乗り」 「だからおまえ」 「行きましょうっ言ってるんですってば!!」 黙って僕を見ている先輩に、行かないんですか、と繰り返す。 ややあって先輩が照れくさそうに顔に手を当てる。 「…かなわねぇなぁ…」 傷だらけの手に隠れていたけど僅かに見えた嬉しそうな顔が、僕の内に落ちていた。 PR |
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基本的にマイナ。
全て脳内妄想による捏造の産物です。
新たに与四兵始めちゃいました。
プロフィール
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航輝
性別:
女性
自己紹介:
団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。 連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。 twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。 |