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食満と綾部です。



綾部です(2度言った)


食満と三木ヱ門も大概にしろよというあれだと思うのですが、
綾部です。

え、何それ、と思いつつもOKというかたのみドウゾ。
























自分の小さな世界を揺らすのが好きだった。変化が心地好くて色々と試してみたりもしたけれど、今は少し、揺らすのが怖い。

独りになりたいなんて特に思う事は無い。楽だなと思うことは多々あっても。
皆、滝や三木や私は一人でいるのが好きだとか思っているみたいだけれど、それは少し違う。私たちは孤独が好きだと言う程の厳しい忍務をこないしていないし(例えば蛍火の術に於ける死間のような)確かに集団行動は苦手だけれど、孤独とはまた話は別だ。独りは少し不安に思う。今はまだ。
だからといって今更クラスメイトの輪の中に入らせて下さいと言う程でもなく、第一彼らとは波長が少しズレているからこそ離れて見ている訳で、自然と3人でいる事が増えた。(タカ丸さんも来てからは4人だったりもするけれど、基本は滝と私、三木が偶にで3人だ)

滝と三木は判らないけれど、私は時々人恋しい。タカ丸さんは「今はそれどころじゃないなぁ」って笑っていたけれど。どうしようもなく人の温もりが欲しくなる。

ざくざくざく。

タコツボに隠れてしまえば誰も私を見つけない。
滝との部屋に居れなくなった時の小さな逃げ場所。

私たちは上級生と居るのが好きだ。
彼らに付いて回れば技を盗む機会も増えるし話だって聞ける。技術の向上は嬉しいし(特に私は滝や三木ほど器用じゃないから有り難い)先輩と親しくなれるのも。
だから私は委員会が好きだ。

ざくざくざく。
考え事をするには単純作業が丁度良い。庭中にタコツボが増えていく。
目を閉じる。頭に響く、あの人の声。


「貴方のことは嫌いじゃない」

――それなら、何故。

「そう言う風には見れないんです」

――嘘。冗談でしょう?

「ごめんなさい」

微笑む貴方は私を優しく冷たく突き放す。

ざくざくざく。

どうしようもなく人が恋しい時はタコツボを掘ってやり過ごす。狭い狭い穴の中に人の気配が充満する。涙腺が壊れる。手が止まる。
忍びとしてどうなんだろうと一応自問するけれど、泣いても誰にも見つからないと思えば気が楽だ。

「何してるんだ、こんな所で」
上から降ってくる声に体が固まる。どうしよう。今はあらゆる所が不調なのに。返事なんかしたくない。
「…綾部だろ?こんなに蛸壺堀りまくってんのは」
抜け出せなくなったとか言うんじゃないだろうな、と呟くのが聞こえる。
「…けま、せんぱい」
泣き声なんかみっともない。
泣き顔なんて見られたくない。
「どうした、…お前大丈夫か」
大丈夫じゃないです、と小さく呟いてみる。
「…泣いてるのか?」
驚きを僅かに声に滲ませても、立ち去る気配も引き出そうとする気配もない。
もう誤魔化しようもないと腹を括ればあとは出るだけだ。

「…ご心配を、おかけして、ます」
「お前でも泣くんだな」
当たり前か、人だもんな。
そう言ってから私の髪をかき回す。
「何があったか知らないが、田村と平には黙っててやるよ。な」
「…どうも…」
涙が止まらないまま見上げたら、気まずそうに目を逸らされた。

今は人肌が恋しくて
「…食満先輩」
「何だ」

独りが嫌で
「ちょっと」
「うん?」

少し背伸びをして、首の後ろに手を回す。
「10秒下さい」
「は?――こら、おま」

先輩なら許してくれそうだと思ったからだと言ったら、この人はどんな顔をするだろうか。

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取り扱い傾向
食満三木・食満綾・文団 基本的にマイナ。 全て脳内妄想による捏造の産物です。 新たに与四兵始めちゃいました。
プロフィール
HN:
航輝
性別:
女性
自己紹介:

団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。
連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。
twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。