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文団です。
一滴インクをたらしたくらい、という表現が好きで。 「団蔵。お前、正直に言えよ?」 長屋の一室に正座した団蔵に向き合うのは、やはり正座したきり丸。 「何だよ、きり丸。改まって…」 既に足をモジモジさせている団蔵は正座解いて良いかなぁ、と考えている。 「お前な、最近潮江先輩と仲良いんだって?」 やけに真面目な顔をするきり丸に、チラリと目を向ける団蔵。 「そりゃ、委員会で一緒だし、仲は良いと思うけど…何で?」 深呼吸を一つして、きり丸が、あのな、と言い難そうに話し出す。 「こんな噂があるんだよ」 「ねぇきりちゃん」 「んーどうした乱太郎」 壷の小銭を数えるきり丸はとても楽しそうだ。 「最近、団蔵が変だと思わない?」 「はー?アイツ変なのか?どこが」 「3日に1回くらい、女装してるらしいよ?」 女装、と聞いて、やっときり丸が顔を上げる。 「何で?なんかバイトか?…俺じゃあるまいしなぁ」 「でしょー?」 それと一緒に、こんな話も聞くんだよね、と乱太郎が続ける。 「…潮江先輩が、しょっちゅう女の子と一緒に歩いてるって」 それを聞いたきり丸が、頭の上にクエスチョンマークを飛ばす。 「何か変なのかよ。潮江先輩に限って色に溺れるはずはないと思うぜー?どうせ妹とか、色々あんじゃねぇの」 それがさ、と乱太郎が声を落とす。 「その女の子が団蔵だって噂なんだよね」 きり丸が何度か目を瞬いた。 「…ただの噂だろ?」 乱太郎がもどかしそうに床を叩く。 「だから最近の団蔵が変じゃないかって聞いてるんじゃないか~!!」 「俺に聞くなよ、何で俺が知ってると思うんだよ!」 「だってきりちゃん、この前団蔵と一緒に女装したでしょ?その時に何かあったんじゃないかって」 「知らねえよ、完璧に別行動だったし!!」 「えぇ…何か上級生の間で話題になってるらしいよ?」 1年は組の加藤が、あの潮江先輩とただならぬ仲なんだって。 「そんな風に言われてんだぞ!!!」 一気にまくし立てて、熱が入ったきり丸は前のめりだ。 「そ、そんな事言われても…」 身を反らせながら団蔵が困ったように呟く。 「…先輩にそんな気はないと思うけど…」 それを聞いたきり丸が、更に1歩、前に出る。 「じゃあ、先輩とは何もないんだな!?」 「あ、ある訳ないじゃないか!!先輩には女装したときの行動とかチェックして貰ってるだけだよ!!」 慌てて首と手を振る団蔵。 「本当だな?」 「嘘吐いてどうするんだよ、そんな事…」 「なら、良いんだ」 ふー…ときり丸が息を吐き出す。 「皆、お前を心配してんだよ」 「有難う、でもホント、何もないから!」 「ん、そっか。変な話はそれだけだ、悪かった」 「いいよ、こっちこそゴメン」 おもむろにきり丸が立ち上がる。 「ま、俺は何かあっても面白いと思うけどなー」 「あのなぁ…」 そう言われて団蔵は苦笑する。 一度部屋から出たきり丸が、思い出したように顔を覗かせる。 「そうそう、その潮江先輩が、お前に用があるから手が空いたら来いって言ってたぜ」 「えぇえ!!忘れるなよそんな事ー!!」 もー…とがっくり顔を伏せてしまう。 「ははっ悪い悪い」 じゃーな、ときり丸が走っていく。 少しして部屋から出ていく団蔵を陰から見ながら、きり丸が呟いた。 「やっぱり何かあるんじゃねぇか…あんな嬉しそうにしちゃってよー」 こりゃ乱太郎には言えねーなーと思いながら、黙って後を追いかけた。 PR |
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食満三木・食満綾・文団
基本的にマイナ。
全て脳内妄想による捏造の産物です。
新たに与四兵始めちゃいました。
プロフィール
HN:
航輝
性別:
女性
自己紹介:
団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。 連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。 twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。 |