嫌いになれない

こへ滝。
好きなんだけれど、世の中に素敵こへ滝サイトがあふれているので
自家発電しなくてもいいよね、ということで増えない。






好きだよ、こへ。















滝は良い子だ｡

ちょっと高飛車で自信過剰で自慢が多くて鼻につくけど､素直で真面目で一生懸命で人前には出さないけれど努力型秀才なのを私は知ってる｡

４年生が女装実習を行うらしいって仙蔵がこないだ話してた｡
そんな話を委員会の時に振ってみたら､滝が自信に満ちた顔で｢私は完璧に仕上げてみせますから!｣って言ったのを聞いて思わず笑ってしまった｡
余りに想像がつきすぎる!
誰にも負けんなよ～!!って言っといたけど､元の見た目が割と整っていて派手だから美人になりそうだなくらいにしか思ってなかったんだな､そういえば｡
見目麗しいのは見ていて気分が良いけれど､化粧の不思議さには学園生活６年目ともなれば慣れる訳で､のっぺりした顔の方が案外化ける事も学んでいたから｡
見せに来てくれんのかな!…と期待はしたけど自分の時を思い出すと､あんまり期待しちゃいけないんじゃないかなとも考えてしまって､何かもう面倒だからその辺を走ることにした｡

で､実習は終わったはずの時間なのに学園に帰ってこないから(滝と､言っちゃなんだけど女装が出来なさそうなイメージの子)街に見に行ってみることにした｡
いやほら､何かあったら体育委員としては都合が悪いから｡決して､偶然を装った逢い引きに行こうとかではなく｡そりゃ､隣歩けたらなぁとか多少期待はしたけれど｡でもそれって仕方ない事じゃない？田村と綾部の出来を見たら想像もつくし｡三木が文次郎と話してるのを見て､どこの女かと一瞬でも驚いたのは私だけではないはずだ｡ちなみに綾部のは土井先生と歩いてるところを見た｡
彼らのツメの甘さって､髪の色が珍しいのに黒に直さないところなんじゃないかなぁ､と思ったのを覚えている｡目立つよあれじゃ｡

まぁとにかく､私は滝を見に街に行って､きり丸と歩いているのを発見した訳だ｡
えー何できり丸なの!!
って正直腹が立つには何の理由もないけれど(しかも､きり丸は気付いてないみたいだった…無理もないか)２人が別れた後にバラしてやった｡
あちゃーって顔をした滝ときり丸を見て､悪いことしたなって思ったけどもう遅い｡
いけいけどんどん突っ走ってた私の気持ちと足は止められない｡

きり丸の顔が驚きから苛立ちに徐々に移り変わる様は見物だったなぁ｡

私にバラされてしまって､少し落ち込んだ滝を引っ張り回して､気分転換を図る｡ガッカリした顔より笑顔が見たい｡ついでに滅多に現れない美人とは長く居たい｡

お茶して買い物して散歩して､滝の笑顔も散々見て､私はある種の幸せを満喫出来た｡
最初は何か言いたそうだったけど､途中どうでも良くなったらしい｡
先輩には敵わないです､と少しの棘が入った笑顔が１番綺麗だと私は思う｡

えぇと､だから何だっけ？
滝は良い子で､ホントは性格も悪いばっかじゃないんだよって話かな｡
最近の私は､そんな滝が結構好きで皆に知らせて歩きたい位なんだ！






｢……で？言って回りたいという気のままに僕の処に来たんだ｡滝夜叉丸の女装がスゴく綺麗で小平太､君はデートまでしたっていう自慢もしたいが為に僕の処に？君に選んでもらったことを喜ぶべきか流石に私だ不運だなと思うべきか､どっちだと思う？｣
｢えー､クラスも違うのにわざわざ出掛けてきて話をしにきたって私にそれを言うの？でねー､滝ったら可愛いんだよ照れちゃってさー｣
｢…やっぱり不運なんだろうな…｣