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文団です。
バスタブに一滴の続き物。 雑食に好きなのできりちゃんとか庄ちゃんとか出したくてね。 きり丸は文次郎と向き合っていた。 団蔵を追いかけ部屋の外に出たものの、会計委員の部屋の手前まできて、立ち止まってしまった。 団蔵に見つかるのはまだ良い。けれど上級生相手に(しかも相手は学園一忍者をしている、あの潮江文次郎なのだ)聞き耳を立てて見つかり、正直に話しても壁に耳あり障子にメアリーやってましたと言ってみても通じないだろうと。忍者としての気合いが足りん、校庭100周、などと言われるのがオチだ。 ならばいっそ、隠れなければいいかと文次郎を待ち伏せることにした。まだ到着していなかったから、どこから来ても見えるだろう庭に降りる。 「っつってもなぁ…先輩になんて言えば良いんだ?」 周囲を見ながら1人呟く。 先輩は団蔵をどう思ってるんですか! 最近2人でよく街に行ってますけど何かあるんですか! 「…なんて言っても動じねえだろうしなぁ…」 そもそも自分は何が知りたいんだろう。何もないという団蔵をつけて、直接自分には関わりのない先輩を待ち伏せて。 「心配なんだよ」 毎日楽しそうに出て行くのも知ってる。でも、時々悩んでいるような、考え込んでいるのも俺は知ってる。 学園中の噂になってもそれでも変わらずに2人きりになろうとする団蔵が。 「変わらないってのが何もないって事かもしれねぇしなぁ…」 それに、何を言われたって変える必要がないって2人とも思っているのかもしれない。 それなら何故、団蔵は1人で悩んだりするんだ。 「アイツの問題だって言えば終わりだけどなー…」 要らぬ世話を焼いているのかもしれない。 「…きり丸?こんなとこで何してんだ」 名前を呼ばれて現実に呼び戻される。廊下に文次郎が立っていた。 「何をブツブツ言ってんだ」 庭に降りるのを眺めながら、どこからどこまで口に出してたんだろうと僅かな不安が頭を過ぎった。 「あぁ、えっと、いや」 「団蔵がどうかしたのか」 「いやどうっていうか、何かアイツ、って、」 先輩どっから聞いてました? 「あー…先輩になんて言えば良いんだ、あたりかな」 「結構長く聞いてたんすね」 どこまで口に出してたんだ、と頭を抱えたくなる。 「ならもっと早く声掛けて下さいよーびっくりするなぁもう」 あはははは、と笑いながらも顔がひきつる自分が情けない。 「…俺に用じゃないのか?」 「えーと、はい。まぁ」 「手短にな」 どう言ったものかと考える。考えてみても、正直に言うしかないかと腹をくくる。 「先輩は、団蔵と最近2人で何してんすか」 「なんだぁ?急に」 「最近先輩の噂が立ってるの知ってますか」 「あぁ?」 「団蔵と先輩が街に一緒に出て行くのは、そういう仲だからだって」 「…知ってる」 知らん訳がないだろ、俺を誰だと思ってると文次郎が言う。 「本当なんですか」 「お前はどう思ってんだ」 どう、と言われても困ってしまう。何もないのは嘘だとは思っているけれど、具体的にそんな考えがある訳ではないのだ。 「嘘だ」 文次郎はじろりときり丸を睨む。 「本当であって欲しかったか?」 どうなのだろう。いくら考えても、嘘であれと思ったことはない。 「団蔵が先輩を好きなら噂通りでも良かったです」 それだけだ。 きり丸が、あーあ!!と頭に手をやった。 「団蔵、先輩と出掛けるの楽しそうだったし嬉しそうだし、正直に言えば本当なら隠してんなよ水くせぇなぁって言おうかなって、そんな感じで、だから」 「あのな」 文次郎が言葉を遮る。 「俺は結構あいつが好きだ」 まだほっとけない後輩の域を出ないけどな、と頬をかく。 「…はぁ」 突然そんなことを告白されてもどうしたら良いんだろう、と文次郎を見上げる。 「多分あいつもそんなもんだ」 「…はぁ」 「それだけだよ」 了解、ときり丸がこくりと首をおる。 「このままなら噂通りになるかもしれねぇけどなー」 けらけら文次郎が笑う。 「ま、だから今は噂は噂だ」 「…そうですか」 「おう」 じゃ、俺行くわ、という文次郎を見送った。 「…後輩以上想い人未満ってことなのか…?」 あの先輩が、ってのは面白ぇなとぼんやり考えながら、長屋に向かって歩き出した。 PR |
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食満三木・食満綾・文団
基本的にマイナ。
全て脳内妄想による捏造の産物です。
新たに与四兵始めちゃいました。
プロフィール
HN:
航輝
性別:
女性
自己紹介:
団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。 連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。 twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。 |