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文団と言い張ります。


もう、わたしのなかではもんじは可愛くて仕方ないのです。
素直になりきれないというかー
でも丸わかりだよバカ!
みたいな感じが可愛い。

団蔵もね。
似たもの同士なんだよなぁ、と思っています。



















「なぁ団蔵、聞いてくれよ!!!!」
ドタドタ足音が聞こえるなぁと思っていたら、部屋の戸が勢いよく開いた。
「何だよ、きり丸。何かあったの?」
「あるから来たんだよ!!ほら、ちょっと来いよ!」
乱太郎でもなくしんべヱでもなく、僕の所に来るなんて珍しいこともあるもんだなぁ。
そう考えながら、話を聞こうときり丸の後を追いかけた。


話はこんな感じだったと思う。

街で心太売りのアルバイトしてたら知らない女の人が道を尋ねてきて、仕方ないから道案内をしていたら(案内料も少し貰ったらしい)色々と買い込まれ荷物を持たされた挙げ句、コレを探しているんですとお使いまで頼まれて、後日お礼をと言うから名乗ったりしたのに、別れた後に七松先輩がその女の人に向かって突進しながら「滝ー巧く化けたなぁ!!」と叫んでいるのを見た。

「滝夜叉丸の奴、最初っから俺を騙すつもりで声掛けてきたってことだろ!?ふざけんなっての!」「でも案内料貰ったんだろ?」
「そのあとの事も考えたら全然割りにあわねぇよ!!あー腹立つー」
なんだって滝夜叉丸の奴はわざわざ俺なんかをからかってきたんだよ…とブツブツ言っているもんだから可笑しくなってしまう。
「滝夜叉丸は会う度に自慢はするけど、わざわざ僕たちをからかいには来ないもんなぁ」
僕は木から飛び降りる。
「きり丸もやり返してみたら?」
「はー本気で言ってんのかよ?相手は滝夜叉丸だぜ!?俺たちが騙せると思うのかよ」
ふてくされたきり丸は、まだ降りてこない。木の上に向かって言葉を返す。
「やってみなくちゃ判らないじゃないか」
「…俺たちを甘く見たらどうなるかを思い知らせてやるか」
よっと掛け声と共にきり丸が横に降り立った。
「そうと決まれば準備しに行こうぜ!!」
何時の間にか僕まで含まれている事に抗議するべきか迷って止めた。
何か面白そうだし、良いか。

やると決めた後のきり丸の行動力は、庄左ヱ門に並んで1年は組トップなんじゃないだろうか。
土井先生に女装のコツを聞き(僕は何故か立花仙蔵先輩の元へ派遣された。…確かに上手そうだけれど)一通りの道具を揃え、あっと言う間に準備を整えた。
途中、たまたま学園に来ていた利吉さんが、団蔵はこうで、きり丸にはこっちが合うんじゃないかな、と化粧を直したりしてくれた。やたらと豪華になっていくのが不思議だ。皆して面白がっているだけなんだろうけど。

そんな途中の色々を経て完成したきり丸は(きり子ちゃんと言うべき?)びっくりするくらい綺麗だった。
土井先生に見せに行った時も、喋らなきゃ見ただけでは判らないよと太鼓判を押されたくらい。
ちなみに僕も、可愛いよと言ってもらえたから満足だ。は組の皆なら騙せるんじゃないかなぁ。
…なんて思ったりもする。

「じゃー団蔵…じゃなかった団子ちゃん。あたし行ってくるからね!」
「…きり子ちゃん、団子ちゃんは止めてよ…食べ物みたいじゃない。せめて団ちゃんにしてくれよ」
「はいはい。細かいんだからーじゃあ団ちゃん、あんたも上手くやりなさいよ!」
「はいはい。きり子ちゃんこそ頑張ってきてよ」
バイバーイと手を振り歩いていくのを見送って、さて、これからどうしようかと考える。

ノリで女装してしまったけれど、僕は誰かを騙すつもりだったわけじゃないし…
「どこ行こうかなぁ」
1人呟いてみても、誘いがある訳じゃない。
「折角だから誰かに見せびらかしたいなぁ…」
とりあえず浮かぶのが1年は組の面々。先生。委員会の先輩方。
「…まずは潮江先輩の所にでも行こうかな」
どんな顔するのかが少し楽しみだ。先輩が好きな忍者のしかたではないけれど、これも一種の忍者している状態なんじゃないだろうか。
そうと決まれば、向かう先は本日2度目の6年長屋だ。

「潮江先輩いますかー?」
そろっと戸を開けて呼びかけてみる。

「…文次郎なら会計室だが」

立花先輩がすごい顔をして僕を見てる。
笑いたいような、感心したような、何を言ったもんかって考えてるのが判る。
「…お前、意外に女装の才能があるんじゃないか?」
「どうもー。きっと先輩のおかげですよ」
「まさか。私とは化粧の仕方が違うだろ」
「んーきり丸は先輩に近いと思うけど…ま、いいや。僕、会計室に行ってみます。」
「…あぁ。気を付けてな」
戸を閉める前に、あ、と再び中を覗く。
「そうだった。利吉さんが、僕はこっちのがいいだろうって少し直してくれたんですよ」
「…成る程」
それなら納得、とでも言いたげに先輩が肯いている。失礼します、と声だけ掛けて6年長屋をあとにする。

カラカラ。
いつもより数倍気を付けて会計室の戸を開ける。今の僕は女の子なんだから、力任せに開けちゃいけないんだ。面倒だよなぁ、女の子って。

「…先輩」
「何だ?伝票ならそこに置いておけ」
先輩は目も上げずに返事だけを寄越す。
「伝票は持っていないんですけど…」
「あぁ?じゃお前な、にを…」
途中から顔を上げた先輩が筆を持ったまま固まってる。
すごいなぁ。貴重だよなぁ、こんな先輩。
「…先輩?」
首を傾げて、少し照れて笑ってしまう。ホントに、凝視ってこういう事だろうなってくらいに見てくるから。
「お…っまえ、誰、いや、団蔵だろ、声が、ていうかまず気配も、えぇ?双子とかいうオチはないだろ、聞いたことねぇし」
動き出したと思ったら今度は何か変なことばかり口走ってる。珍しいよなぁ、先輩って慌てたらこうなんだ。意外。
「あの」
「ちょっと待て俺は目が可笑しくなったのか、団蔵だと思って話してたのに実は知らん女だったなんて洒落にならんぞ。この俺が何でそんな初歩的な」
「先輩!」
「あー…疲れてんのか昨夜は鍛錬しすぎたか?あれしきでヘバるような俺じゃねぇのに」
「先輩ってば!!」
「なんだ団蔵」
「判ってるんじゃないですか。落ち着いて下さい、らしくないですよ」
「誰のせいだとって、…やっぱりお前、団蔵なのか」
そう言って先輩は僕の顔を改めて眺める。
僕も先輩を見るしかなくて、今日も隈が酷いな、とか、頬に墨が付いてるな、とかそんな事ばかり考えた。
そのまま先輩が頭をかきながら溜息を吐くのを眺める。
「…はー…やられた。参った。まさかお前がここまでやるとは思ってなかった。」
「利吉さんのおかげですねー」
「…あの人、流石だな…ここまで変わるもんなのかよ」
僕は先輩に向かってにっこりする。
「かわいいでしょ」
「可愛い。文句なしだ。あと4年経ってたら口説いたかもな」
そんな手放しで誉められると困ってしまう。
「えー今は口説いてくれないんですかー?」
「幼すぎんだろ、バカタレ」
俺は幼女に興味はないんだよ、とそっぽを向く。
「なーんだ。残念だなぁ」
「…あと3年経ったらな」
1年短くなってるな、と思いながらお礼を言う。

「そうだ先輩。今、きり丸も女装してるんですよ!で、僕より綺麗だから、見に行きません?滝夜叉丸を騙そうとしてるはずなんで!」
「お前より綺麗てよ…予想以上に末恐ろしい奴なんだな、お前たちって」
あはは、と笑いながら先輩の手を引っ張る。
「団蔵」
「何ですか?」
呼ばれて振り向いた瞬間、目の前が暗くなる。抱き締められてるんだな、と遅れて気付く。
すぐに話されて、目の前には屈んで近くなった先輩の顔。
「可愛いぜ」
ニヤリと笑って頭を撫でられて、僕はどうしていいか判らない。
「…どうも…」

何となく赤くなった顔を意識してしまった。変なの。先輩も僕も、今日はちょっと可笑しいんだ。
「さぁて、滝夜叉丸の驚いた顔でも拝んでくるかー!」
「え、置いてかないで下さいよ―!」
スタスタ歩いていく先輩の後を慌てて追いかけた。
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取り扱い傾向
食満三木・食満綾・文団 基本的にマイナ。 全て脳内妄想による捏造の産物です。 新たに与四兵始めちゃいました。
プロフィール
HN:
航輝
性別:
女性
自己紹介:

団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。
連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。
twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。