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最初しか書いてなかった庄ちゃんサイド。

団蔵も好きだから出張ってます。

































何か悩みでもって言われて、どきっとした。悩んでいるというか考えてると言う方が正しいんだけれど、まぁ、そんな細かい事はともかく。
バレてないと思ってた。伊助はともかく、他の誰かには。
相手がきり丸だったのは喜ぶべきか憂うべきか。
他の誰より気づいて欲しかったような気もするし、バレてはいけないような気もする。

――まぁ、もうバレてしまったみたいだし。

一応否定はしたけれど、きっと疑問は拭えてないだろう。
ついでに団蔵も不思議に思ったに違いない。

縁側でお茶を飲みながら、考える。伊助がどこのお年寄り?と言いながら笑ったけれど気にしない。本当はお茶を点てたいけれど、学園長の部屋にでも行かない限りここでは出来ないし。
日差しが柔らかい、と思いながら思考の海に沈んでいく。

僕はきり丸が好きなのかな。
女装したきり丸が好きなのかな。
それとも好きかも知れないと思うだけで、ちょっと今まで気付かなかった好みを発見してドキドキしたのを錯覚している、とか。

他の人がきり丸に声を掛けるかもと思うと少しイヤだ。ただ、それはあくまでも女装した時のきり丸であって普段じゃない。
男のきり丸が誰に声を掛けられたって大丈夫だろうなんて思いがあるからなんだろうか。
…女装していたら大丈夫じゃない?
何が大丈夫で大丈夫じゃないんだろう。
連れて行かれるわけがない、ついて行くわけがない、力付くにもならないだろう、だろうか。
女装していたら、ついて行く訳がない以外の可能性が少し上がるからイヤなのか。

―信用してないってことなのかなぁ。

ここまで考えて苦笑する。
信用してないじゃない
。女装姿を信じすぎているんだ。
あんなに可愛いのに、誰かに声が掛けられないはずがない、とか、そんな事を考えている。

それで結局、僕はきり丸のことが好きなんだろうか。
幻想を抱いているだけじゃないのか。

――だとしたら失礼な話だよな。

きり丸自身ではなくて、変装をした女の子が好きって言うことなんだから。
それではいくらなんでも。

「ひどすぎるよなぁ…」

ドキドキしたし、独占欲も感じたし、これが恋というのかなと考えてる間は楽しかった。誰にも見せたくないとか、近くにいたいとか。自分がこんな考えを持つなんて。新鮮で、驚いたけど気分は悪くないなとか。

それだけで済んでたら良かったなぁ。
ひょっとして女の子の、って考え出さなければ。

ふー、とため息を吐いたら目の前に団蔵がいて言葉を失う。
なに、なんで、
「庄左ヱ門やっぱり悩んでるじゃないか」
「いや、その、」
もー水くさいなぁと団蔵が笑う。
「さっき、少しきり丸の方を見ただろ」
「きり丸だけじゃないだろ」
団蔵も伊助も。
「そうだけどー僕かいいたいのはさ」
よっこらせ、と隣に腰を下ろす。
「時々、委員会中に食満先輩が来るんだ」
「へぇ…?」
何の話、と思ったけれど、口を挟まない方が良いんだなと黙っている。
「田村先輩がさ、凄い顔で食満先輩を見てるんだ」
まぁ聞いてよ、と話は続く。
「一瞬眉をひそめて、呆れたーって感じで食満先輩を見てね」
その様子を思い出しているのかひどく楽しそうだ。
いったい何を言い出すのか、僕は続きを待つしかない。
「なのにさ、その後はもう、めちゃくちゃ優しいんだよ。何か、目が。あと嬉しいって。雰囲気で解るくらいにさ。…あの石火矢オタクの先輩が、火器以外に露骨な好意を示すなんて、何か笑っちゃった」
失礼だけど、と言いながらもやっぱり笑う。
「だからさ、庄左ヱ門もそうなんだよ」
「え?」
雰囲気に出てた、とこっちを見て、また笑う。


「…きり丸が好きなの?」


別に悪くないんじゃない、と呟くのを、どこか他人事のような気分で聞いた。
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取り扱い傾向
食満三木・食満綾・文団 基本的にマイナ。 全て脳内妄想による捏造の産物です。 新たに与四兵始めちゃいました。
プロフィール
HN:
航輝
性別:
女性
自己紹介:

団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。
連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。
twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。