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庄ちゃんと団蔵がひたすらおしゃべり。
団蔵ともんじの話も一応平行しています。 自分の気持ちを考えるお年頃。 「――きり丸が好きなの?」 言葉がひどく、ゆっくり聞こえた。 団蔵がわくわくした目で僕を見る。他人事だと思って、気楽だなぁと羨ましく思う。 「…どう思う?」 少し俯く。何となく顔を見られたくなくて。 「どうって、だから、好きなんだろうなって思ったんだよ」 ちゃんと聞いてた?と言う団蔵はやはり楽しげだ。 「…きり丸が好きなのかな」 俯いたままでそう聞いた。 「え?」 「だから、僕は、きり丸が好きなのかな」 「えっと庄ちゃん?待ってよ」 分かんない、と顔をしかめる。 「だからさ」 どう言ったものかな、と暫し考えてから口を開く。 「最近、何となくだけど好きかなって僕も思った。?好きってこんな感じなのかなって。でもさ、女の子の姿のきり丸にどきどきしたりはするよ、でも普段のきり丸には違う」 団蔵は黙って僕を見てるんだろう、視線を感じる。 僕は未だ、顔を上げられずに膝ばかり見てた。 「僕はきり丸が好きなのかな」 さっきと同じ言葉を繰り返す。 今度は、団蔵が視線を落とした。 「きり丸が好きなのかな。きり丸だけどきり丸じゃない、女の子が好きなのかな」 僕には今の自分の気持ちが分からないんだ、と小さく呟いた。 団蔵は未だ、黙って考え込んでいる。 「…庄左ヱ門」 ややあって団蔵が顔を上げた。つられて僕も。 「なに?」 「きり丸が女装してるのをさ、庄左ヱ門は知ってるだろ。勿論、僕も。だからさ、僕は思うんだ」 僕ではない誰かを見ているんじゃないかと思った。遠くの、誰か別の人を。 「女装したきり丸だってきり丸じゃないか。知らないなら別だけど、庄ちゃんは知ってる。…だから、好きなのは知らない女の子じゃないよね」 「…そりゃ、きり丸だけど」 渋々頷く。 ぱっと団蔵が笑った。 「ね」 それで良いじゃない、と言って笑った。 「さっき庄ちゃんがきり丸の事を見てた時、やっぱりすごく柔らかくて優しくて、暖かかった。女の子の姿じゃないけど、そうだったよ」 「…そっか」 うん、と団蔵が僕を撫でる。 「好きかも知れないなぁ、で今は良いかもしれないしね」 「…好きなのかって訊いたのは団蔵じゃないか」 ごめんごめん、と笑っている。 「そうだなぁ…女装したきり丸もきり丸だって、とりあえずはそう考えておこうかな…」 ありがとう、ちょっとすっきりした、と頭を下げる。 「…僕もよく分かんないしね」 「………???」 何でもない、と言いながら立ち上がる団蔵を見上げる。 「じゃあ僕は行くね」 「うん。…またあとで」 「食堂でね!!」 そのまま、手を振り走っていく団蔵を眺めていた。 それから、きり丸にはまだ言えないな、と考えた。 PR |
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食満三木・食満綾・文団
基本的にマイナ。
全て脳内妄想による捏造の産物です。
新たに与四兵始めちゃいました。
プロフィール
HN:
航輝
性別:
女性
自己紹介:
団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。 連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。 twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。 |