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きりちゃんサイドの兄弟編・3

いちおう、庄ちゃんサイドの姉弟編が次です。


































「庄ちゃん、別に悩んでるって感じじゃないよ」
「え、そうなのか」
「伊助にも?」
僕にもって何、と笑いながら伊助が頷く。
「悩んでると言うより、驚いてる、感心してる…?かなぁ」
「何に?」
うーん、と少し考えてから、あのね、と口を開く。
「庄ちゃん、自分でもらしくないなって感じてるみたい。だからって勉強がどうとか、そんなのには全く響かないんだけど」
「うん?」
「自分で自分を見つめてるとこっていうか」
冷静だよねーとクスクス笑う。
「あのさ伊助」
「なに、きり丸」
「俺は結構、変な庄左ヱ門、つかまぁ、何かあるのかなって感じる程度の違和感を最近感じてるんだけど」
「うん」
「お前なら何か相談されてんじゃないかなって」
「いや、うーん…相談はされてないんだ。ただ」
「タ」
思わず反応してしまう体を団蔵が押さえつけた。悪気はないんだ、許してくれよ。
「ただ?」
「最近楽しそうだねって言ったら、まだよく分からないんだって返ってきたことはあるよ」
「庄左ヱ門、楽しそうなの?」
「楽しそうだよ?」
「何か…全然変わりなく思ってたよ、僕」
「俺は何か悩んでると思ってたのに」
そう?と伊助が首をやや右に傾げる。
「…楽しそうだよ?」
えー、と二人で顔を見合わせてしまう。
「ていうかさ2人とも、何で本人に訊かないの?」
え、と団蔵が口ごもる。
「いやー…」
訊きにくいよな、と二人で肯きあってると襖の戸が開いた。
「ただいまーあれ来てたの2人とも」
「おかえり庄ちゃん」
「…おじゃましてまーす」
まさか本人が帰ってくるとは。当たり前で悪くもないんだけれど少し気まずい。
「庄ちゃんが最近悩んでるんじゃないかって心配してるんだよ」
え、伊助!?
団蔵と一緒に思わずびくっとしてしまう。
何を言い出すんだと口を塞ぎたくなるけどもう遅い。
「僕が?」
「最近変でしょって」
あぁ、と肯いている庄左ヱ門を見ながら、どうしたもんかと頭の中はフル回転だ。
「悩んでるって言うか、自分を観察してるんだよ」
「観察してるんだよって」
その結果がアレなのか。
嫌じゃないけど少し驚くスキンシップか。
俺の視線に気付いたのか、困ったように笑う。
「そう。…どうなるかなって試してたんだ」
ごめんごめん、と謝られる。いや、良いんだけど。
団蔵が慌てて首を振る。
「僕は付いてきただけだから」
何も気付いてなかったよ、と手まで振ってる。
「心配してくれて有り難う」
「いや…」
大丈夫なら良いんだ、と立ち上がる。
「なんもないならいいや。な、団蔵」
「え、うん。何もないなら良いよ」
行こうぜ、と声をかけた。
「…きり丸…」
「ん?」
出て行く間際に呼ばれた気がして振り返る。
「呼んだか?」
庄左ヱ門が少し笑った。
「…何でもないよ」
ごめんね、と唇が動く。
「はいはい、じゃあまた後でなー」

襖を閉めて団蔵と一緒に部屋に戻る。
何かあるから試してるんだろうね、と呟く団蔵に、平気って言うんだし、そのままにしとくしかないよな、と返すに留めた。
聞いて欲しいことは色々あったけど、今は言えないと何となく。
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取り扱い傾向
食満三木・食満綾・文団 基本的にマイナ。 全て脳内妄想による捏造の産物です。 新たに与四兵始めちゃいました。
プロフィール
HN:
航輝
性別:
女性
自己紹介:

団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。
連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。
twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。