４年３人編

三木ヱ門
滝夜叉丸
喜八郎

の会話｡














｢どこが良いの？｣
｢何だ急に｣
｢ただの興味｣
｢確かに気になるな｣
｢…お前達こそどこが良いんだ｣
｢さぁ？分からないなぁ｣
｢自分のことだろ｣
｢じゃあ三木も滝も分かるの｣
｢…………｣
｢…………｣
｢…飽きないから…？｣
｢見てて？｣
｢一緒にいて？｣
｢同時に聞くなよ｡…さぁ､どちらもか…？｣
｢私たちに聞くな｣
｢自問だ､ただの｣
｢あぁそう｣
｢そもそも別に色恋がどうとかではないしな､先輩とは｣
｢へぇ？そうは見えないぞ｣
｢でも違う!!｣
｢ムキ期になるのが怪しいな｡な｣
｢ねー？はい､じゃあ次､三木は｣
｢喜八郎が先だろ｣
｢おや､いつの間にそうなったの｣
｢さっき｣
｢分からないって言ったのに…｣
｢…あぁ…｣
｢ほら三木でしょう？｣
｢観念しろよ､三木ヱ門｣
｢…面倒見が良すぎる､抱え込みすぎる｣
｢それって､三木…｣
｢文句なのか？｣
｢放っておいたら延々修理し続けるし下級生に任せられないと判断したらそれこそ自分だけでやるし､放っておけない｣
｢相手は上級生だよ､三木｣
｢分かっているけど｣
｢…三木ヱ門も面倒見が良すぎるんじゃないのか｣
｢え｣
｢そういう事だろう？｣
｢だよねぇ｣
｢えぇ…イヤだな｣
｢でもそうだよ三木｣
｢似たもの同士惹かれるのか｣
｢はー…喜八郎も何か言え｣
｢何､え？｣
｢好きなんだろ｣
｢好きだけれど｣
｢だからどこが｣
｢どこだろうねぇ｣
｢優しいとか｣
｢大体はね｣
｢綺麗だとか｣
｢格好いい寄りかなぁ…｣
｢…強いとか｣
｢強いらしいよ､戦ったことはないけれど｣
｢気遣いが出来る｣
｢大人だからねぇ｣
｢料理が上手い｣
｢それは知らない｡どっちかというと子守じゃないのかな｣
｢…包容力が｣
｢あるんだろうけど私には向けないね｣
｢…それは文句か｣
｢いや､事実｣
｢…軽くのろけか､喜八郎｣
｢いやだから私は相手にされてないんだよ｣
｢えぇ？｣
｢そうだったのか？｣
｢そうだよ｣

｢…あのな､お前達｣
｢はい？土井先生｣
｢何故､私の部屋でそういう話をするんだ…？｣
｢他にどこで出来るんですか？｣
｢自室かな｣
｢無理ですよ｣
｢先生がいないと聞いて貰ってる感じがしないし｣
｢え､聞かせてたのか｣
｢聞こえるでしょう？｣

｢………………｣

思春期の子達は難しいなぁとしみじみ思った瞬間だった｡