きり丸と庄左ヱ門編(前)

きりちゃんが出てません(笑)


とりあえず前編











｢土井先生､１年は組､庄左ヱ門入ります!失礼します｣
｢…どうした？庄左ヱ門｣
｢先生､実はさっきまできり丸と相談してたんですけど｣
｢うん？｣
｢こうなんです｣




｢ねぇ乱太郎｡僕､最近きり丸は庄左ヱ門とばかり一緒にいる気がするんだけど～｣
｢そーぉ？バイトに付き合わされるのは私たちなのに？｣
｢何となくなんだけどねー｣
｢そうかなぁ…私は別に…どう思う､兵太夫？｣
｢えー？少なくとも２人一緒に僕らの部屋には入ってきてないよな､三治郎｣
｢そうだね～カラクリには掛かってないね｣
｢庄左ヱ門も変わらず僕と宿題してるよ｣
｢伊助までそういうなら気のせいじゃないの？｣
｢団蔵に聞いてみろよ､前３人で一緒にいたじゃないか｡なー!団蔵ー!!｣
｢へ？何､金吾｣
｢だからー最近きり丸と庄左ヱ門が特に仲良くなったんじゃないかって話｣
｢へーそうなんだ？｣
｢んーだどうなんだろうねって話だけだよ｣
｢へー…あんまりそう思ってなかったけど…虎若気付いた？｣
｢んー…団蔵も最近､先輩と委員会ばっかだもんなぁ｡でも僕も仲良いなぁくらいしか思ってなかった｣
｢ふーん｣
｢じゃあ僕の気のせいなのかなぁ…｣
｢私たちとしか遊ばない訳じゃないし…ねぇみんな｣
｢だよねぇ｣
｢ていうか､しんべヱ的には仲良くちゃだめなの？｣
｢そうじゃないよー!!｣
｢庄左ヱ門がきり丸を好きだーとか､きり丸が庄左ヱ門を好きだーとか言い出してるならまた話は別だけどね｣
｢止めろよ､金吾､変なこというの｣
｢まぁ､僕んちは父が武士だから珍しく感じないのかも知れないけどさ｣
｢んー僕は多少､違和感はあるけどね｣
｢え､何この流れはきりちゃんと庄左ヱ門にそういう疑いをかけてるの？｣
｢…もしそうなら応援しようかって話？｣
｢金吾ーそれ苦しくない？｣
｢あはは…こめん｣
｢え､でもさ､そうだったら僕は応援するなー｣
｢団蔵はそうかも知れないけどさ｣
｢どういう意味ー？｣
｢や､ごめん｣
｢ねー僕､飽きちゃったーナメクジさんのお散歩に行こうっと｣
｢行ってらっしゃーい｣
｢ま､２人がどういう仲でもさ､僕ら仲良くできれば良いんじゃない？｣
｢ま､ねー｡しんべヱはちょっと寂しかっただけだよね｣
｢そうなのー｣
｢じゃあ何でも良いかー｣
｢何かあれば２人が話してくれるんじゃない？｣
｢そうだよねー｣
｢じゃ､遊びに行こっか!!｣






｢みたいな話があったよって､団蔵に言われたんです｡だから､そのまま､きり丸と団蔵の３人で話してたんですけどねー｣

｢…なんか…大変だな､庄左ヱ門｣
｢そうですか？皆､僕らも入れてくれればいいのに居ない時にそんな話するからー｣
｢そんな時もあるんだろうな｣
｢はい｡まぁそんなのは構わないんですけどね｣


流石は学級委員長｡
冷静だ｡

茶も出してなかったなと､急須と湯飲みを引き寄せた｡