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滝夜叉丸と三木ヱ門。
気分で2人はセットにしてみました。












「どうした2人揃って。珍しいな」
4年生は、斉藤タカ丸以外に私の所へは滅多に来ない。担任でない教師には委員会絡みでなければ特に用もないからだ。

「土井先生にお伺いしたいことがありまして」

平滝夜叉丸に田村三木ヱ門。
4年で1番優秀と自称する2人が私の所に、しかも揃って来るなんて。今更授業の質問とは全く思えないし、火薬の管理ならば委員会を通すだろう。
つまり、委員会でもなく授業でもない、それ以外の用件で2人が一緒に来ているのだ。
…珍しいより外に言い様があるだろうか。

「どうしたんだ?」
まぁ入れ、と部屋に招き、座るよう座布団を示す。
自分も座り直し話を聞く体勢になる。
「何か悩みでも?」

どうも最近、生徒が訪ねてくることが増えたような気がする。
そろそろ茶菓子でも常備するべきだろうか。

少しの沈黙の後、これ以上は黙ってられない、と滝夜叉丸が口を開く。
「私たち、最近6年の先輩方と過ごすことが増えたんです」
「悪いことではないな。しっかり学ぶと良い」
「それは勿論」
「そうなのですが」
口ごもる2人を思わず眺めてしまう。言いたい事はキッチリ言う2人であるから余計に。
「何かあるのか?」
「…七松先輩に、やたら女装してと頼まれるんですよね…私」
「ほほう」
綺麗だからな、だけで済ませて良いのかは疑問だが。
「食満先輩は、無理に女装しろとは言いませんが」
「うん」
「女装した時だけは、その、寝ようかなって感じになるんですよね」
おいおい、何だそれは。
「あー…えーと…田村?」
「はい」
「お前は、その、何だ、寝るのが嫌なのか?」
「えっ…あの、寝るのが嫌と言いますか」
あぁ、そうではないらしい。
無理強いでは無かったな、食満、本当に良かったよ。
「何故女装している時だけなのかなって…」
何て答えたら良いんだろう。
勘弁してくれよ、何をしてるんだ最高学年。
「あー…そうだなぁ…」
「七松先輩も、好きだ好きだと言ったりもするんですが」
「そうなのか」
「冗談なのか本気なのかの判断は付きかねますが。あと、ひょっとしたら、女装している私が好きなのかなとか思ったりも」
「…そうなのか」
「私もそれは疑問に感じる時があります」
「えーと、それは食満が」
「女装した私を好きなんじゃないかなと」
「…………………」

な、と顔を見合わせ頷く2人を眺め、思わず天を仰いでしまう。
「それは…どうなんだろうな…」
何かもう、どうフォローしたら良いのかもわからない。

「そういう事は、しっかり本人と話し合いなさい…」

私の愚痴は一体誰が聞いてくれるのだろうかと、時間があるなら来て欲しいなぁと僅かに願った。
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取り扱い傾向
食満三木・食満綾・文団 基本的にマイナ。 全て脳内妄想による捏造の産物です。 新たに与四兵始めちゃいました。
プロフィール
HN:
航輝
性別:
女性
自己紹介:

団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。
連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。
twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。