残した一歩

だるまさんが転んだをはじめるとき、

「はじめのいーっぽ！」

ってジャンプしません？

ご当地ルールだったのかもしれませんが、
私の幼い頃に住んでいた地域では

はじめのいっぽ　のーばした！
はじめのいっぽ　ちょきん！
はじめのい-っぽ！

という３パターンから各自選択していました。笑


っていう、まぁ、なんというか、
最初からぶっちぎれなかったもんじドンマイ☆
てきな話でした。























｢なぁ潮江｣
｢なんだ食満｣
｢お前､加藤好きか｣
｢…おー好きだよ｣
｢どのくらい｣
｢ま､このくらい｡…って見えねぇだろそんなの｣
ジェスチャーはしっかりしてたくせにな｡
｢ていうか何っでお前にそんな事を告白しなきゃなんねぇんだよ!!｣
｢良いだろ別に｡減るもんじゃ無し｣
｢よくねぇよ!!｣
｢何で｡好きだっつのが照れるのか｡俺相手なのがイヤなのか｣
｢てめぇに言う必要性が感じられねぇ｣
｢ねぇよ､そんなもん｣
｢じゃあ言わんで良いだろうが!!!｣
｢必要性はない｡でも俺は聞きたい｣
｢はぁ!?｣
｢お前､加藤に好きって言ったか｣
｢言わねぇよ｡それこそ言う必要がないだろが｣
｢何で｣
｢そんなゴタゴタは俺の中だけで十分だ｡あいつはそんなん思ってねぇんだから｣
｢あいつが言い出したらどうすんだ｣
｢どうもしねぇ｣
｢何で､万々歳じゃねぇのかよ｣
｢何で万々歳なのかが全く判らん｣
｢両想いだろ｣
｢だから？｣
｢万歳じゃねぇの｣
｢じゃねぇだろがバカタレ｣
｢あぁ!?｣
｢卒業まで1年もないんだからな､何も言わねぇし､しねぇよ｣
｢あぁ？｣
｢卒業したら俺はプロの忍で､アイツはあと５年は忍たまで､もしかしたら俺は死ぬかもしれねぇ｣
死ぬ気なんか全くないけどな､と呟く｡
｢そんなのが朧気に見えてんのに言う必要なんかねぇじゃねぇか｣
｢…………｣
｢アイツに幼い恋が芽生えたとしても､俺は知らん振りをする｡何も言わない｣
｢…………｣
｢俺のこのモヤモヤも何も伝えず卒業して､それで終わりだ｡ただの先輩と後輩だ｡それのが良いんじゃねぇかと思ってんだよ…ってああウゼーなぁ!!!何言わせんだこの｣
｢お前､実は臆病なんだな｣
｢あぁあ!?喧嘩売ってんのか｣
｢違う､ただの感想｣
｢…喧嘩売ってんじゃねぇか｣
｢売ってねぇよ…｣
そうか､お前でもこわいのか｡
お前でもって変だけれどお前でもだ､潮江｡
｢あー…成る程ねぇ｣
｢あぁ？｣
｢いや､そうだな､そういう話をしたかったんだな､俺は｣
｢はぁ？｣
｢何でもねぇよ､有り難うな､変なこと聞いて悪かった｣
立ち上がって自室へ向かう｡
｢テメェふざけんのも大概にしやがれ!!!!｣
後ろで潮江が怒気を振りまいてるのも無視してやる｡
｢…留三郎？｣
｢おぉ､立花｣
｢…文次郎に何かしたのか｣
｢話を少しな｣
｢ほう､やけに怒ってるじゃないか｣
｢途中でやめたからな｣
｢………？｣
じゃあ後はよろしく､と再び歩く｡

俺は､田村とどうしていきたいんだろう｡
あいつは､本当に加藤と何もなく終わりたいのだろうか｡