× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 次は食満にしてみました。 「…見つけた、土井先生」 常の彼らしくないな、と思うくらいの足音をさせで火薬倉庫に駆け込んで来た6年生。 「どうした食満、何かあったのか!?」 様々な非常事態が頭を過ぎる。 学園長の迷惑な思いつき、毒虫の脱走、ドクタケの馬鹿な企み。 1年は組が巻き起こす突拍子もない何か。 え、という一言の後、申し訳ないという表情が浮かぶ。 「いえ、学園的に何かという事ではないんですが」 「………?」 学園に危機が迫っているわけでないならば、それに越したことはない。 ないのだが、それならば彼のこの様子は何なのだろう。 「あの、土井先生。お忙しいのは百も承知です。ですが少しだけ、話をさせて頂いて宜しいでしょうか?」 「構わないけど…?」 こんなところで良いのだろうか、そう思わなくもなかったけれど、今日はもう火薬庫に用がありそうな事はないか、と気にしないことにする。 「…先生は田村の女装なり平の女装を見ましたか」 「…1度綾部のを見たけど…?」 それなら話が早いです、と食満が呟く。 「見られたのはおそらくは改善前でしょうけど、あの3人の女装はひどいと思いませんか」 「確かに凄いと思うよ」 「多少幼さの残る今だけかも知れませんが。…正直、アレには参って」 「ん?」 「田村が最初、自分の所に来たとき、確かに綺麗だけど、色気が足りねぇなと」 「言ったのか」 「言ってしまったんですよ」 田村の性格的に、本当に伸ばしてやろうとするなら発破をかける方が正解だ。ま、誉めても努力を怠らない子ではあるけれど。 「あぁもう、言ってしまったものは仕方ないです。それより問題は!」 「問題は?」 「…その、田村が改良して再びやってきて」 「…想像以上なんだろうなぁ」 「はい。そりゃもう」 はぁ…と溜息をつく。 「それで、どうかしたのか?」 「どうというか」 売り言葉に買い言葉というか…と、ポソリと言葉が落ちてきた。 「…寝てしまって」 「えー…と」 聞き間違いであって欲しいと思わず願った。 「…合意の上でだろうね」 「それは、そのはずなんですが、」少なくとも俺はそう取ったし、文句も言われてません。 …そうですか。 「合意の上ならまぁ、はい、続けて」 「確かにあいつの事は気に入っているし可愛いと思う。…その、最近は色々な意味を含め…果たしてこれは良いのかと」 「…お前はどう思ってるんだ?」 三禁にかかるほど夢中なのなら、問題は問題だがどこか羨ましいと思う。 「自分は」 「うん」 「田村との事に溺れる気はないですし、今は溺れない自信もあります」 「うん」 「この先、何者にも代え難い存在になったとしても」 「…うん」 「俺は、忍ですから」 「そう」 なら良いんじゃないかな、と軽く頭を叩く。 「気は晴れたか?」 「すみません、急に、こんな話。…潮江が、土井先生なら聞いてくださると言っていたものですから」 「あー…なるほど」 潮江ね、とくすりと笑う。 「お前たち、鍛錬もしろよ」 「失望はさせませんよ」 安心してください、と笑顔で応える。 「では、失礼します」 「あぁ」 このまま私は秘めた想いを何人分も聞くのかなと思いながら、火薬の在庫点検に戻ることにした。 PR |
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全て脳内妄想による捏造の産物です。
新たに与四兵始めちゃいました。
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航輝
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団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。 連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。 twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。 |