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慕情シリーズと銘打っといてなんですが、ただ土井先生が生徒と話をしていくだけ。
だらだら続いていく予定です。 慕情 「土井先生ー…」 小さく呼ばれて顔を上げる。 「…団蔵?」 「今ちょっと良いですか?」 部屋の前で佇む団蔵に、勿論、と招き寄せた。元気がないなんて珍しい。は組のよい子たちの中でも賑やかな部類に入る団蔵なのに。 「どうした?元気ないじゃないか」 ちょっと、と小さく息を吐くのを見て、これは重症だなと覚悟を決める。 「先生、好きな人いた事ってありますか!?」 「はぁ!?」 何を言い出すんだこの子は。 「どうしたんだ、藪から棒に」 好きな人って。 あの好きな人か。家族ではない友達ではない好きな人か。 通常は異性である可能性が高い、好きな人か。 「そうだな…好きになったことはあるよ。…団蔵?」 意を決したように、団蔵が上を向く。 「それが、その僕もしかしたら」 嫌な予感がする。 哀しいかな、こういう予感は当たるのだ。 「…潮江先輩を好きかもしれないんです」 ほら。やっぱり。 「あー…」 何と答えたものか、と考える。 こちらを見る真剣な目。 「団蔵、あのな」 「はい」 「先生は、人を好きになるのが悪いことだとは思わない」 「じゃあ忍者の三禁は」 「気をつけなければならない、目が眩んではいけない。その通りだ。でもな、」 くしゃりと髪を撫でてやる。 「好きになってはいけないではないんだよ。…忍術学園には奥さんも子供もいる先生がいるように」 だろう?と言えば、団蔵はこくりと頷く。 「だからな、団蔵。好きになっても良いけれど、溺れては忍としては失格だ。…それでも先生は、人を好きにならないなんて、寂しすぎると思うんだ」 ねぇ仮に。 任務と貴方を秤に掛けたら、忍びとして任務を選ぶでしょう。 貴方も私より自分の務めを、軍の益を選ぶはずだ。だからといって、傷付き好意が無くなるなんて事はない。 お互い自分の身は自分で何とかするだろう技量を知っているからかもしれないが。 それはきっと信頼と。 「…先生?」 呼ばれて、ハッと団蔵を見る。 「あぁ、悪い悪い」 「…先生は今も好きな人がいるんですねー」 「あはははは…」 そっかー良いんだーと笑顔で頷く団蔵を見ながら、部屋に入ってきた時の元気のなさはなくなったな、と安心する。 「じゃあ僕、先輩のこと好きかもしれないけど、ダメではないんですよね!」 「…そうだよ」 「よかったーじゃあ好きになっちゃいけないって言い聞かせなくても良いんですね」 好きかもしれないでいいんだー と嬉しそうな顔を見ていると思わず笑ってしまう。 かもしれないって。 しかし潮江、お前はどうなのかと少し話を聞きたいよ。 「土井先生、ありがとうございました!!」 お陰ですっきりしました!とぴょこんと立ち上がり、部屋を掛け出て行く。 「全く…団蔵の奴、マセてるなぁ…」 もっと大人になるまで興味も持たなさそうなタイプに見えるのに。 「よりによって潮江ねぇ…」 あのギンギンに忍者している男が、どんな顔をして接しているのか。 1度は見てみたいなと笑った。 PR |
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全て脳内妄想による捏造の産物です。
新たに与四兵始めちゃいました。
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航輝
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団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。 連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。 twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。 |