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はじめの一歩を残した場合、

タッチして逃げる、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10!
のあとに、
一歩跳ぶ権利がありました。

がんばれもんじ。





















俺が臆病だと食満は言う。
…普段なら、忍者の三病に引っかかるような俺じゃない。
が。
それとこれとは話が別だ。
敢えて言おう。
色事に臆病で何が悪い。

食堂の前を通りかかると、いっただきまーす!と1年は組の連中の声がした。
ひょいと覗く。目当ての頭は直ぐに見つかる。
「おい団蔵」
くしゃ、と髪を撫でる。
「うわぁ!!…あ、あぁ先輩!!何ですか~?」
「放課後、委員会が終わったら街行くぞ。というか委員会の買い出しだがな、2班に分かれるからお前は俺とだ」
「はーい!」
「あー、…今日は普通に行くから」
「分かりましたー!」
「じゃ、後でな」
「はーい」

委員会の買い物に行くのに普通じゃないも何もあるかよ、と思わず苦笑する。最近、女装姿で街に行き過ぎてんな、と。
きり丸に、団蔵と何かあるのか、と訊かれてから、ひと月余り。
意識するとダメだな。我ながら呆れてしまう。
すっかり、アイツの事が気になって仕方ない。
「…何がただの後輩だ」
そんなのとうに通り過ぎてる。
自室に入る前に思わず立ち止まった。
「くそ、俺は、溺れたりしねぇ!!」
「騒がしい」
「うわ!仙蔵」
いたのか。油断していたのは俺だが、心臓に悪い。
「何をごちゃごちゃと。お前はどうせ直感が物を言うタイプなんだから、考えこまずに走ってみたらどうなんだ」
「俺は小平太か」
「アイツは走りながら悩み、悩みながら走るところから始まるからまた違う」
「…あのな」
「お前は立ち止まってると碌な事にならないだろう」
「…俺を考え無しみたいに言うな」
「考えても最終的には直感を信じるんだろうと言っている」
「勘は大事だ」
「だから、悩みすぎなんだお前。見ててウザい」
思い切りの良さが売りだろうが。
そう言い捨てて仙蔵が消える。
…酷くないか。
「普通悩むだろ」

好きだと伝えたらどうなるか。
アイツも少しは好きだろうから、断らない気がする。
僕よく判らないです、でも先輩の事は好きだから良いですよ。
…とか言い出すんだアイツは。
それじゃダメだ。
俺が嬉しいとかそれだけじゃダメだ。

俺は今年度卒業してプロになるつもりで。
城勤めなんて柄じゃないから戦忍びになるだろう。
いつ死ぬかもしれない身で、あいつはまだたった2年になるばかりで。仮に卒業してからも続いたとしたら、アイツは毎日生きてるか死んでるか不安で不安で仕方ないなんてのを味わう事になるんだろう。
そんなのはダメだ。
アイツの特別になって嬉しかろうが、そんなのはダメだ。
アイツがしっかり決めないうちに俺が好きだと言って、流れで始める訳にはいかないんだ。
覚悟をする時間すら碌になければ、余りにもアイツに負担を強いる。
「…言えるか、バカタレ」
色事に臆病で何が悪い。
傷付け苦しめるのなんか仕事以外じゃ真っ平だ。

とりあえず委員会活動だな、と部屋に入るのを止めて、走り出した。
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取り扱い傾向
食満三木・食満綾・文団 基本的にマイナ。 全て脳内妄想による捏造の産物です。 新たに与四兵始めちゃいました。
プロフィール
HN:
航輝
性別:
女性
自己紹介:

団蔵、きり丸、文次郎、滝夜叉丸は不動のベスト4ですがその他の子たちも大好きです。その時の熱の入り方によって傾向がかわるやもしれません。
連絡先→ ar.k512.roger★hotmail.co.jp ★→@でドウゾ。
twitter→takeya_chika(航輝)です。時々つぶやいています。